来年に向けて

年の瀬に

今年は、実は結構いろんなことがあり、ちきりんの人生は大きく「揺らぎ」ました。(ひっくり返ったりはしてないです)。


このブログを読んでくださっている方の中には、ちきりんを実際に知っている方もあり、その立場もいろいろ。なので、どこまで、どういう近況を書くかはとても難しい。


でも、やっぱり最後に書いておこうかな、と思いました。ちきりんにとって、すごく大きなことだったから・・


★★★


今年の半ば、長年一人で暮らしていた母が、ちきりんを含めた子供達の支援を必要とする状態になりました。最初は緊急避難的に看病・介護のため東京と郷里を往復しました。秋からは介護休暇を利用して、週の半分を郷里で過ごす生活になりました。ここ数ヶ月、毎週東京と関西を往復していたちきりん。もし家計簿をつけていたら、その生活費は「月20万円。うちJR東海(新幹線切符代)の支払い17万円」という案配。遠距離介護ってやつですね。

週に数日だけ東京で仕事をし、残りの仕事はパソコンと電話で郷里からこなしました。会社(特に部下)には大きな迷惑をかけながら、なんとか乗り切ってきました。仕事をしない日はあっても、個人としての休日は皆無に近い半年。体的には特にきつくはなかったけど、心的には厳しい日々もありました。

それでもこの生活の中で、「神様が与えてくれた親孝行の機会」を噛みしめる日々が続きました。自分が、どれだけの愛情と手間暇をかけられて育ってきたのかを、身を以て理解しました。

誰かのために役に立つ、というのは、人生に大きな喜びを与えてくれるものだと実感しました。親にはいつまでも元気でいてほしいのはもちろんですが、同時に、こんな機会をもらえたことに感謝する気持ちも感じています。


というわけで、人生の構成要素がひとつ増えました。それを総て限られた時間の中でやっていくのは、ちょっと不可能な感じです。今までだって“いっぱいいっぱい”だったわけだしね。会社にだってずうっと甘えているわけにはいかないでしょう。

もちろん、その一方で、個人としての生活すべてを犠牲にしていくことが、正しい解決方法とも考えてはいません。自己犠牲などというきれい事で物事は片づかないだろうと思っています。ちきりんは理想家ではありません。あくまで実務家。それに、AかBかというような二元論的選択は、人生において有効であった例はない。そんなんだったら、人生の解はコンピューターが見つけてくれちゃう。


というわけで、来年の抱負ができました。ちきりんが来年考えていかなければならないのは、新たな生活のバランスを見つけていくことです。構成要素が変わり、重みも変わっていくでしょう。新たな均衡点を探る一年、それが、ちきりんの2006年ということ。


人生にはいろんなことがあって、自分では全然コントロールできない。それがオモシロイところ。ちきりんの人生も、ちょっとした転機ってことでしょう。これから、ちきりんは、どこに住んで、どんな仕事をして、どんな生活を送るのか。何を愛して、何を楽しいと思う生活を始めていくのか。予想がつかないことが、楽しみです。

「来年はこーゆー生活、5年後はこーゆー生活」って見えちゃうのは、ちきりんは好きではないのです。そういう安定した生活が好きな人もいますが、ちきりんは全く反対です。混沌と不確実性と不可視性が、大好き。その方が楽しい。その方がわくわくする。



来年も良い年になりますように。

ちきりんにとって、皆様にとって。

みなさん、よいお年を