究極の選択:金正日かブッシュか

今日、盧武鉉(ノムヒョン)大統領が金正日氏と会った。年末の韓国の大統領選に向けたパフォーマンスです。

韓国では「南北統一」は“国民の悲願”だから、7年前の金大中大統領の南北首脳会談以来、とにかく金正日氏と会えば韓国の政治家は支持率があがる、状態で、皆あからさまに(金を払ってでも)金正日に会いたがる。

実際、盧武鉉大統領派はかなり支持率が下がっており、最後の安倍総理みたいな状態なんです。で、12月の大統領選ではかなり負けそう。今日の会談でちょっとでも盛り返せるか!?っていうのが注目。


ちなみに韓国では「前大統領は、野党候補が次の大統領になると、必ず逮捕される」っていうルールがある(?)ので、日本の政権争奪とは較べモノにならないくらい皆真剣です。

で、めっちゃおもしろいのが、野党の大統領選挙候補者の人が、訪米してブッシュ大統領と会うって発表したこと。

アメリカの大統領は、基本的に他国の野党リーダーとは会わないのです。なんだけど今回は野党リーダーと会うらしい。びっくりです。韓国のマスコミも驚いてました。なんでブッシュは会う気になったんだ?と。

つまり、それくらい盧武鉉大統領率いる現在の韓国政権がアメリカと関係がよくない、ってことなんです。彼らは極めて左であり、二日前まで書いてきた話とつなげると、李承晩から戦後ずうっと維持してきた親米政権が、金大中以来盧武鉉までの間ひっくりかえされちゃってます、という状態なわけですね。

この現政権の“親北反米”に対抗しようと、野党はやたらと“親米反共”を強調してるわけです。なので、そっち側を支持するアメリカが、まだ野党候補なのにてこ入れの意味を含めて会ってくれた、というわけ。

★★★

ちなみに韓国は、戦後すぐの南北対立の時に、アメリカがつれてきた(韓国におけるカルザイさんの立場である)李承晩(イスンマン)博士が大統領になった後は、長らく“軍事政権”でした。選挙もなかったし議会もお手盛り。独裁者が軍服を着て政治してました。一般市民の“民主化要求デモ”も激しく、光州事件などをはじめとして、罪なき市民が大量にコロされた。

でも、これらの“軍事独裁政権”は当然ながら、反北朝鮮、すなわち反共であり、ということは親米でした。なので、当然のようにアメリカはこの軍事独裁政権を強力に支持していました。

“アメリカが民主化運動や民主的政権を支援・支持”というのは嘘だということは、この例でも明らかです。“アメリカは親米政権を支援・支持”するだけです。


なお、金大中以降の大統領、現在の盧武鉉大統領も、上記の独裁軍事政権の時代に、デモを率いていた“民主化運動家”リーダーです。韓国では、“民主化運動のリーダー”=反米であり、親北、という、“ねじれ“減少が特徴となっています。

★★★

話を戻しましょう。


この、
・与党の大統領は金正日と会見してアピール!!
・野党の大統領候補はブッシュ大統領と会見してアピール!!

ってのは、かなりおもしろい。どっちも最悪な感じのリーダーだが(たぶん現在、世界で最悪の二人だと思う)、どっちが勝つんだろう?超きょーみあるです。


韓国国民は、金正日を選ぶのか?それともブッシュを選ぶのか?

二人のテロリストからのチョイス!!


うーむ、ホントに究極のチョイスだわ。

訂正:上記のニュース、再度確認してみたら、ブッシュ氏と野党候補者との会談はキャンセルされたとのこと。一方で金正日は盧武鉉大統領に一日滞在延長を促したと報道されてます。金正日一歩リード!


★★★

そのうち、自民党の総裁選の直前に
・福田さんが訪中して、○○書記長と会談でアピール!!
・麻生さんが訪米して、○○大統領と会談でアピール!!

みたいになるのかも

おもろいな。


んじゃね。