ニューヨーク恋物語

昔よくハリウッド映画の日本での封切り時に「全米で大ヒット!」「全米で感動の嵐!」というような宣伝文句が使われてたでしょ。

最近スカパー!で韓国ドラマに続けとばかり中国のドラマがよく放映されてるんだけど・・・

その宣伝文句が「全中で15億人が泣いた!」

ほんまかい!

インド映画の宣伝は「インド人15億人が踊った!」って感じ?
てか、中国とインドで流行った場合は

「地球上の二人に一人が泣いた!」になるというすごさ・・・

★★★

で、そのスカパーで“ニューヨーク恋物語”という、超古いドラマを再放送していました。

1988年の初回放映時に私も観ていたドラマです。

当時も熱心に観てたのですが、「なつかしー」と思って観始めたら、最終回まで目が離せなくなりました。


井上陽水さんの「ホォッテルはリバアサイ、かっわぞいリバアサイ〜」っていう音楽が素晴らしくマッチしてるドラマで、

主役は田村正和と岸本加世子さん。

他に、桜田淳子さん、真田広之さん、柳葉敏郎さんなどが出てらっしゃるのですが、みんな、めちゃくちゃ演技が巧いです。

田村正和さんの役回りは、いま観るとさすがにちょっとカッコ付けすぎで、ちょっと引けててしまったりはしますが・・・

「私のことなんて全然愛してないのね」という女性にたいして、「お前は愛を求めてたのか? じゃあ、オレのところなんかに来てもしかたないだろ?」って言ったりするんだよね、白いバスローブ着て。

うむ・・・

★★★

桜田淳子さんが演じるキャリアウーマンは、「日本社会で成功できなかったからNYに行って一発逆転を目指す」という、しかも「ウォールストリートでアシスタントディーラーなんだけど、体売ってでものし上がるわよっ!」というあまりにも80年代的な役回りで、

ほんとに“あの時代”だなあ・・って感じでした。


ドラマが放映された1988年は、日本がバブルの頂点を迎えつつあるタイミングだったんです。

日本が永久に終わらないのだと信じていたバブルの崩壊まであと一年。富士銀行が世界のトップバンクであった時代。日本人はNYで恋物語のドラマを作ってたわけで、

日本中のおじさんもおばさんが憧れたんです。

「ニューヨークで恋をしたい!!」

明大前とかじょーじとか、百万遍とかミナミとか、そんな地味なとこで恋してるばーいじゃないだろと。

NYだと。恋するならと。

なんたって、“Japan as Number 1”なんだから。

天下の日本人だぞと。エンパイヤステートビルも買っちゃうぞと。

ばぶるだ・・・


このドラマ以来、素敵な男性にアウトドア・テラスで髪の毛洗ってもらうのが夢となった私ですが、いまだかって実現したことはありません。



んじゃ!

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