世界と反対方向に走る私たち

外国法人によるJパワー株式の取得制限の話。呆れて声もでないです。ちきりんが「株式を買われて困るなら、株式を公開するな」と書いたのはすでに3年以上も前です。

私は外国人に電源開発(Jパワー)が買われてもいいと言っているわけではありません。それはどっちでもいいです。エネルギー専門家でも国防関係者でも、誰かが決めてください。

問題は、特定の客にしか売らない商品を、誰でもどうぞ!と店頭に並べることの不誠実さです。

客がその商品を気に入り、レジに持って行ってカネを払う段になっていきなり「あなたは日本人じゃないから、この商品は売れない」と言い出す。これはいくらなんでも失礼でしょ?

そんな店に客が来たいと思う?


しかも、その店はここ何年も「国際的に負けない市場になりたい。アジアの各国市場にさえ負けそうな我が国の株式取引市場を国際化し、活性化したい。世界中から客が来てくれる取引所になるのが目標だ!」と言い続けてきたというのに。


なんじゃそれ?


客が商品をレジに持ってきてから、ぐだぐだ言うのはマジでやめた方がいいです。詐欺みたいな商売を国がやっていては、さすがにやばいでしょ。


★★★


ところでこの投資の話と、昨日の移民の話は、とってもよく似てる。

日本は、「海外からの投資を呼び込みたい」と口でいいながら、実際には、海外の人には売らない商品をこれ見よがしにガラス棚に並べる変わった国です。

世界中が、オイルマネー、ロシアマネーを蓄えた大金持ちを自分の店にいかに呼び込むか、必死で知恵を絞っているっていうのに、日本は必死でそういうお金が自分ちの店に入ってくるのを阻止しようとしている。

かなり変わってます。


移民も同じ。

世界は今、「ハイエンド移民」の取り合い合戦を始めている。一番成功しているのはシリコンバレー。世界中から「最高の頭脳」と「圧倒的なリーダーシップ」のある人材を呼び込むことに成功している。

超エグエグ国策国家のシンガポールも、技術、金融、ビジネスなどの一定分野で修士・博士の学歴をもち、英語で仕事ができる人には自動的に労働・滞在ビザを出すような移民政策を開始した。

高齢化が進む自国民の老後の介護要員として、質の高いフィリピン人を確保するために、医師、薬剤師、介護士等々の資格をもつフィリピン人の移民認定に積極的に乗り出し優遇策を打ち出す先進国も現れてる。

世界は「高い頭脳と専門的技能をもつ移民の取り合い」を行っており、あの手この手でそういったハイエンド移民の取り込みを画策している。


で、日本は?

「工場で文句も言わず、労働基準法以下の条件でも働く単純労働者移民を入れてくれ!」と経団連は言う。


ため息が出るよね。


世界がほしがっている移民とは全く違う移民を日本は受け入れたいってことらしい。世界が必死になって集めている移民を日本はほしいと全く思ってないらしい。



あまりにも世界と違う、私たちの国にっぽん。

世界中が目の色を変えて取り合っている国際資本と世界の頭脳を、門前払いする国にっぽん。

日本の人口はどんどん増え続けており、日本の教育技術レベルは世界一だから、他国から人を集める必要もお金を集める必要も全然ないの? そうなの? ほんとに??



この国は・・・ご飯が美味しいことだけが、救いである。



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