“クビパターン”一覧

“クビ”(解雇)には、いろんなパターンがあります。

下記は、横に本人の「能力の有無」、縦にその会社や部門が「儲かっているか?」という基準をおき、それぞれの場合に「クビになるかどうか」を考えたものです。


最初の図にあるように、儲かっている時に、能力のある人がクビになることは、外資だろうと日系だろうと、大企業だろうと零細企業だろうと、ほとんどありません。



なお、儲かっている日本の大企業では、能力のある人はもちろん、能力の無い人もクビにできません。



さらに日本の大企業は「解雇規制」と呼ばれる判例法のため、倒産寸前になり、かつ非正規社員や新卒学生を全面的に切り捨てた上でさえ指名解雇が困難です。(=能力のない人だけを選んで解雇することができません。)



まとめると、能力があろうがなかろうが、儲かっていようがいまいが、全面的にお花畑なのが日本の大企業のクビパターンであり、公務員にいたっては、その、ごく一部の解雇ゾーンさえ存在しません。(全面ピンク!です。)


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一方外資系金融などでは、たとえ会社や部門が儲かっていても、能力のない人は当然のごとくクビになります。



そして儲からなくなれば、できる人も含めてクビを切られます。時には部門の解散もあるし、日本支社撤退(シンガポールに統合など)もありえます。



ふたつを統合すると外資系金融のクビパターンは下図のようになり、あら怖い! 日本の大企業との差は一目瞭然です。


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なのですが、外資系といってもメーカーやサービス業の企業の中には、儲かっているかどうかではなく、能力の有無だけでクビパターンを決めている会社もあります。

そういった企業では、儲からない時にも少数精鋭の能力のある人だけは(部門や仕事を変えてでも)組織内に確保しようとします。ただし、儲かっている時でも能力のない人は“きちんと”クビになります。



上記は左右で色分けされましたが、下記のように上下で色分けされるパターンもあります。

家族経営の中小・零細企業では、儲かっている間はできる人もできない人も同じように雇用を守ってくれることが多いです。けれど、彼らは利益がでなくなると誰であれいきなり雇用を維持できなくなります。

すぐにキャッシュが廻らなくなり、「コア人材だけは維持しておく」などの余裕がないからです。



ここまでいろんなパターンを見てきましたが、上記以外にコレ(↓)もあります。日本で「解雇規制を撤廃してほしい」と経営者がいう場合、たいていは「下記のようにしたい」ということだと思います。


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というわけで今日は「様々なクビパターン」について書いてみました。
人生いろいろ・クビもいろいろ



最後に自分のアタマで考えよう」のコーナーです!


質問1)あなたの会社のクビパターンはどれ?

質問2)あなたが経営者なら、どんなクビパターンを採用したい?


日本の大企業に関して「解雇規制の撤廃が必要」という意見もよく聞くのですが、「解雇規制撤廃」に関しては合意できる人も、じゃあ目指してる図はどれ?という点では、意見が違ったりしそうです。



そんじゃーね!


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