今週末、新刊 『マーケット感覚を身につけよう』 が出版されます。
下記の表紙からもわかるように、この本は 2011年に出版した 『自分のアタマで考えよう』 と対になる本として書かれています。
といっても、続編とか実践編ではありません。 そうではなく、論理的思考とは全く反対側からモノゴトを考える方法についての本なんです。
ビジネス上の課題にしろ社会的な問題にしろ、問題を解くためには大きく分けてふたつの思考アプローチが必要となります。
ひとつめが「論理思考」であり、ふたつめが今回の本で取り上げる「マーケット感覚」を活用した思考です。
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10年くらい前からでしょうか。問題解決の手法として“ロジカルシンキング”が多くの人に知られるようになりました。たしかに論理思考のスキルは、非常にパワフルです。
複雑な問題を目の前にアレコレ悩むのではなく、問題を解きほぐして一つずつ分解、整理し、本質的な課題が潜む箇所に焦点を当てることで、当初は「どうしていいかわからない!」と思われた複雑な問題も、「手が付けられるいくつかの具体的な問題」に落とし込むことができます。
私自身、必ずしも得意ではなかったこのスキルについては、職場での(長く厳しい)訓練を経て、ある程度できるようになりました。
その経緯と方法論をまとめたのが、3年前に出したこの本です。多くの方に読んでいただけ、結果として 11万部のベストセラーとなりました。今や大学のロジカルシンキング教習本として使用されていたりもします。
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とはいえ多くの人が感じているように、世の中は必ずしも論理的に動いているわけではありません。
「こうなるはず」「論理的にはこうなるのが正しい」と思われるのとは違う方向に、人やモノゴトが動くこともよくあります。
なぜなら・・・人間って本質的には論理的じゃないからです。私もあなたも世の中の大半の人も、何かするたびに論理的に判断し、それに沿って行動したりはしていません。
「なんとなく」とか「ラクだし」とか「楽しそうだから」とか「面倒なんで」など、人が特定の言動にいたるまでのインセンティブシステム(動機付けシステム)は、もっと正直で、直感的で、動物的なものなんです。
だから世の中の問題を解くには、論理的な思考力とともに、この生身の人間、そして生身の人間の集合体である「市場」の動きを理解する能力が必要となります。
本書では、これを“もうひとつの問題解決スキル”と捉え、「マーケット感覚を利用した問題解決手法」と呼んでいます。
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それってつまりビジネスセンスでは? もしくは、マーケティングのこと?
オレは(私は)投資にも金融にも関心ないから、関係ないのでは?
そもそも、そんな能力、後天的に身につくの?
身につきますよ。昔は論理的な思考スキルだって、「頭がいい」という漠とした表現が使われ、あたかも生まれつきの能力のように扱われていました。
でも今は、本でそのスキルを学び、実地に一定の訓練を積むことで、誰でも論理的な思考スキルを高められると理解されています。
同じようにマーケット感覚も、生まれつきの商才などとは違います。しっかり学んで練習し、身につけるべき人生必須のスキルです。
マーケット感覚とは、
・マーケティングのノウハウでもないし、
・ビジネスセンスでもないし、
・投資や商売だけに必要なもの、でもありません。
ビジネスパーソンはもちろん、研究者から公務員、専業主婦に至るまで、すべての人に必要なスキルだし、
仕事だけでなく、就活から婚活、子育てから不動産の購入や資産運用まで、生活のあらゆる面で(そして人生の節目節目に)必要となる重要なスキルなんです。
で、結局どんなスキルなの?
それ、どうやったら身につくの?
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マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法posted with amazlet at 15.02.25ちきりん
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まじでコレ、読んでください。大事なことをたくさん書きました。