旅行の話に戻ります。
先日の旅行では、
(1)王族の経営するホテル
(2)日本の化粧品メーカーが経営するエステ
(3)欧米ホテルマンが経営するホテル&エステ
の3つを利用したのですが、おもしろかったのが「顧客満足度アンケート」の違い。サービスを受けた後に記入する「○○は満足でしたか?」みたいなアンケートね。その、上記の3カ所の違いがおもしろかったです。
(1)の王族の経営するホテルではアンケートは求められませんでした。ホテルでもレストランでも全然なかったと思います。まあ王族にしてみれば「自宅に招いた客からアンケートなんかもらわないでしょ」ってことでしょう。
(2)の日本メーカーが経営するエステでは、最後の会計の後に「よろしければアンケートを書いていただけますか?」と依頼され、承諾して書き込みました。そしたら絵はがきセットを「アンケートを書いてくださった方へのお礼です。」と言って頂きました。
(3)欧米経営のホテルとエステはつい最近、ブランド名を変えたばかりのところでした。ここがなんだかすごくて、「すべてにアンケートが付いている」のです。
レストランの食事をすると請求書にアンケートが付いてくるし、エステももちろんだし、単にカクテルを飲んだだけのバーでもでてきます。
特に最後の日に日本料理レストランでビビンバを食べた時(←どこ行って何喰ってんねん?って感じですね。)は、請求書のホルダーにアンケートがついていたことは知っていたのですが(もういい加減面倒になっていたので)書かずにお会計をして立ち去ろうとしたんです。そしたら店員の方(現地の方)がわざわざ“すっ”っと再度そのアンケートを私の目の前に差し出すのです。
んで、まあ、わざわざ拒否するのもどうかと思ったので、ささっと書いて出てきたのだけど・・・
ん〜
と思わせられましたね。そんな強引に「顧客満足度」調べて、誰が満足するねん?と思いました。
サービス自体は(1)も(2)も(3)もそれぞれにすばらしかったです。なんだけど、敢えて言えば三番目のホテル&エステは「顧客満足度アンケートが多すぎでしょ?」ってのを“顧客満足度アンケートに書きたいくらい”に感じました。4時間のエステコースならともかく、単に一杯飲んだだけでアンケート書かせられるのってちょっと面倒ですよね。「顧客満足って何かわかってる?」って感じです。
でね、この違いが経営母体の違いとつながってるな〜と思ったんです。
(1)王族は顧客満足度アンケートなんかしない。
(2)日本企業は「丁寧に頼んできて」「お礼まで用意して」アンケートを実施。
(3)欧米企業は「極めて形式的に」「顧客満足度データを収集」している。
って感じかな、と。特に(3)はつい最近経営者が変わったばかりなので、すごく意気込んで「顧客の声を集めてすばらしいホテルサービスを実現するぞ!」とか息巻いているんだと思う。で、末端のサービススタッフが「顧客の声」を集めるのに必死になっている。
もちろんこれは末端の現地サービススタッフの責任ではありません。新たに経営者になった人、もしくはその人が雇った上部スタッフの方針でしょう。おそらく彼らは全然現場を見て無くて、アンケートがどういうふうに集められてるか気がついてない。ただ「分析できる現場の情報さえ入手できれば、サービス向上策、顧客満足度向上策が見えてくる!」と思っているんじゃないかな。結構笑えます。
というわけで、サービスってなにさ、顧客満足度ってなにさ、ってことについて、ちょっと考えたりもした旅行でした。
そんじゃーね。
(以前の関連エントリ:http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20080625 ・・ちょっと矛盾してる??)