ちきりんは混乱ラバーだと書いた。だから昨年の10月以降の経済混乱は、心躍るワクワクすることだった。なんだけど、あぁ結局たいしたことは起こらないのね、と最近わかり始めた。世の中はほんとつまんない。
混乱が好きな人はちきりんなどごく少数であって、他のすべての人が(オバマ大統領をはじめ)混乱を避けるために全力を尽くしているのだから当然といえば当然なんだろうけど。
でもさ、皆もう一度理解したほうがいい。いくら混乱を避けるためとはいえ、いくら失業を避けるためとはいえ、「要らないモノは要らない」ってことを。
ダイエーをなんだかんだとこねくり回して何が起ったか?結局は10年以上かけて解体しているだけだ。ものすごい額の税金を投入してね。*1
なんで経済産業省から再生機構から頭のよさげな人が*2あれだけ寄ってたかってダイエーが建て直せないか?
答えは明白だ。
「いらんから」でしょ。
ダイエーがないとものすごい困る、という状況じゃないのだ。大きいところはイオンで十分だし、他にも小売店はいっぱいある。「ダイエーが他社より価値ある会社である理由」が何もないのだもの。そんな会社はいくら財務的に助けても生き残れない。
同じことが世界規模で行われようとしている。一応チャプター11を申請したとはいえ会社自体は存続させる方向で進められているクライスラー。この会社ほんとに要ります?来週にはGMの帰趨も決まるだろう。ほんとうにこういう規模の、このタイプの会社がこれから世界に必要だろうか?
もはや世界で必要な車は、先進国で売られるエコ系の車と、途上国で売られる超格安の車だけとは思わないか?
日本も同じです。潰れそうな会社が3社寄って生き残れるってのは、どうやったら考えつくのかおしえてほしい。(ええっと、ルネサスなんとかっていう半導体の会社ね)
管理部門の重複が解消できてコスト削減になる?投資規模が大きくできる?
だからさ、、、言ってるじゃん。そういうのはすべて「必要な会社」がより強くなるための条件なのであって、「要らん会社」がコスト削減しても、なんの意味があるのかよくわからないだよ。
日本もアメリカも欧州も同じです。いくら再生だのファンドだの公的支援だのやっても、「存在価値のない会社が存在し続けるのは不可能」なのだ。これから向こう10年以上、先進国の人達が生み出す価値(お金)の多くが、これらの「要らない会社を救うために使われたお金」の穴埋めに使われる。
最・悪。
最近の動きを見ていると、ちきりんはつくづく思う。これって「先進国の世界が終わるってことなんだな〜」って。アメリカも日本も欧州もひっくるめて全部終わりなんだな〜って。
そういう意味ではパラダイムシフトは必ず起る。
なんだけど・・
とにかく早く見たいのよ!!
だって私は混乱ラバー!!!
あ〜あ。
そんじゃーね
。