レシピ 今日の料理は“ちきりんブログ”

本日は“Chikirinの日記”の作り方=レシピを書いてみます。

Chikirinの日記を美味しく作る手順は以下の通りです。


手順1:材料を集める
材料となる情報を集めます。わざわざ情報を買いにいかなくても、手元にある残りものの情報を巧く使って美味しい料理を作りましょう。


手順2:メニューを決める

集まった材料(情報)を眺めながら、何ができそうか、何を作るかを考え、メニューを決めましょう。最終的なできあがりの姿を具体的にイメージすることが大事です。


手順3:構成を考える

作り始める前に、どの材料をどう調理しどこに使うか、という手順を考えます。いきなり調理に入るのではなく、最初に全体像の構成を考えるのです。この作業を“ストラクチャーする”といいます。


手順4:調理する

手順が決まったら調理を始めます。(文章を実際に書いてみます)


手順5:味見をする

食卓に出す前にきちんと読み直して、細かい間違いなどを直します。


手順6:スパイスをかける

お好みに応じて“おちゃらけスパイス”を加えます。かけすぎると食べた人の舌が炎上しますので気をつけて下さい。


以上です。作り方は頭に入りましたか?

では次に、今日の材料を説明します。


<材料その1>

3月9日の日経新聞トップ記事は「電機大手 アフリカ開拓」という見出しだった。ソニーや東芝、日立などがアフリカをBRICSの次の市場と位置付けて市場開拓に乗り出す、という内容の記事だった。


<材料その2>

ちきりんストアでも紹介している「ネクスト・マーケット」とか、最近でた「アフリカ 動き出す9億人市場」など、アフリカを“市場”として位置づける本が最近非常に多い。


<材料その3>

ライフネット生命の出口社長と対談させていただいた時に、欧米の保険会社は、初めての国(海外)に進出する時、最初にその国で生命保険事業をやってみたい人を広く募集するんだとおっしゃっていた。

すると、元々はその国の人なのだが、欧米に留学して教育を受けて、さらに欧米の保険業界で働いていたような人が、企画書を作って応募してくると。それらの人に自分の企画をプレゼンさせて、一番いい人を選ぶと、最初からその国の文化や社会に詳しく、保険業務にも精通しており、欧米流の教育を受けて自分達とスムーズにコミニケーションできる、しかもプレゼン能力や起業家精神に溢れた現地責任者が見つかる。ので、まずはその人に現地進出を任せるのだ、という話を聞いた。


<材料その4>
3月15日の日経新聞。2011年春の新卒採用についての記事がある。全体的にはまだ厳しいが、

中国市場の拡大などが刺激となり、将来の需要を取り込むため人員拡充に転じる動きもある。

一方、海外展開のための外国籍人材採用は全体で15%(*)。実施していても規模は「3年前と同程度」が8.5%だった。業種では新興国市場の開拓を進める精密機械(30.6%)、科学(25.5%)などが高い。ただ、全体で規模を3年前より拡大したと答えたのは3%にとどまった。
(*ちきりん注:全体の15%の企業が外国籍人材の採用を行う予定、という意味)

と書いてあった。


<材料その5>
ちきりんは20年くらい前、バックパッカーとしてアチコチの発展途上国を回っていた。その頃、どこに行ってもスーパーとか小売店の棚に特定のブランドの商品が置かれていることに気がついた。

たとえばニベアのクリーム、ネスレのインスタントコーヒーやスナック、ユニリーバのシャンプー、それとコカコーラやファンタなど。コダックのフィルムも当時はよく見かけた。

「すごい大企業なんだろうなあ」と思った。だってモロッコの路地裏の薄暗い小売店の棚にも、南米の国境近くの森の中にある掘っ立て小屋のような売店にも、こういうのが売られていたりするのよね。「ものすごい販売網があるんだなあ」とびっくりした。もちろんそんなところに日本の商品はひとつもないわけで。


<材料その6>
先日紹介した英治出版さんがおくってくださった本。アフリカとバングラディッシュでの起業に関する本なのだが、実は中身がかなり異なる。

“グラミンフォンの奇跡”の方は、「アメリカに留学してアメリカで働いていたバングラディッシュ人が祖国で起業する物語」で、ブルー・セーターの方は「アメリカ人の女性が、銀行で3年働いた後、アフリカでビジネス投資ファンドを運営するまでのストーリー」だ。

後者の本の3分の1は、白人で、スタンフォードMBAで、アフリカ開発銀行やロックフェラー財団などの大機関に所属したり支援されたキャリアを持つ主人公が「そんな自分がアフリカ人に受け入れて貰うのがどれくらい大変か」とか「アフリカがアメリカとどう違うか。アメリカの常識がどこまで通じないか」とか、「先進国のエリートである恵まれた自分が、現地の人達の間でどう見られるか」というような話に費やされている。

しかし、グラミンフォンの奇跡の方には、そういった種類の苦労の話は全く記載されていない。主人公はその国の出身者であり、見かけでも母語でも苦労しない。こちらに書かれている苦労は、純粋な起業の苦労の話であり、巨大な国家利権との駆け引きや、海外投資家にバングラディッシュへの投資を決めさせるための営業活動の困難さであったり、という内容だ。

この2冊では、主人公は同じようなことを成し遂げていながら、苦労したことの種類が全然違うのだ。


<材料その7>
総合商社という業態って、日本と韓国にしかないんだよね・・



★★★

材料は以上です。結構いい材料が揃っていますね!これなら美味しいお料理ができそうです。

では、次のステップに進みましょう。まずはメニューを決め、手順を考えてから調理に入ります。


えっ?

自分でやってみたいですって?


なんといい心がけでしょう!


そうですか。ではみなさん、ここからは宿題にしましょう。各自、自分の家に帰ってご自身で作ってみてくださいね。もちろんちきりんも作ってみますので、どんな料理ができあがったか、そのうちご報告します。

お料理にはなにかひとつ正解があるのではなく、それぞれに美味しいと思える料理ができあがればよいので、あまり堅苦しく考えず、自由に発想しながらトライしてみましょう。複数の材料を巧く組み合わせることで、思いがけないおもしろい味が生まれます。そこがポイントです。


そうそう、ひとつお願いです。、作ったお料理が旨くできた場合は、是非ご自身のブログで紹介してください。くれぐれも、ちきりんブログのコメント欄に5000字とか5万字のお料理論文を投稿しないでね。そんなことはマジでお勧めしておりませんし、承認するかどうか定かじゃないです。


と、ここまで書いて思いました。「材料だけ渡されて調理しろと言われても、どうしたらいいのか全然わからないよ。料理なんかやったことないし」という方もいらっしゃるかもしれません。実は、そういう方向けに

「コレさえ読めば、あなたにもChikirinブログが書ける!!」

という怪しげな情報商材を作ると売れるんじゃないかと思ったのですが、それも結構めんどくさい話だと気がついたので、既に売られている良書を下記にお勧めしておくです。


それではみなさん、美味しいお料理に挑戦してみてくださいね!
ではでは


考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則

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↑情報を料理するための必読書です。中学校くらいで国語の教科書に採用すべきです。


大好きな炒めもの

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↑食材を料理をするための必読書です。中学校くらいで家庭科の教科書に採用すべきです。