グローバル・ブランド確立の難しさ

今日の写真はポルトガル、リスボンのスーパーマーケットで撮影した写真なのですが、これらの写真の共通点、おわかりになるでしょうか?

たとえばコカコーラやペプシ。
これらはポルトガルだけでなく、(ロシアなど政治的に取引を制限されている国を除けば)世界中、どこの国のスーパーでも見つけることができます。

こういうのを「グローバルブランド」もしくは「グローバルプロダクト」と呼ぶわけですが、こういった「世界中どこのスーパーでも売られている商品」はほかにもいくつもあります。

たとえば、

ケロッグのコーンフレーク

リプトンの紅茶

オレオクッキー

ネスレのコーヒー

などは、北米や欧州だけでなく、南米、アジア、中東、アフリカなどあらゆるエリアで売られています。

日用品では、

ニベアのクリームにロレアルのシャンプー

P&Gのソープ

ジレットのひげそり

コルゲートの歯磨き粉やブラウンの歯ブラシ

あたりは、ほんとーにカバレッジが広いです。

中南米の密林の中の国境に併設されためっちゃ小さな売店でさえ売られていたりして、「どうやって、こんなところまで物流網と商流網を構築できたのか!?」と驚愕します。

下記あたりも「グローバルプロダクト」と呼べるレベルの(市場)カバレッジを築いてますかね。

マギーやクノールのスープ

水ならエビアン

ビールならハイネケン

乾電池のデュラセル

そして新しいところでは、アップルやアマゾンのカード

ご覧頂いてわかるように、これらのほぼすべてが欧米メーカーの商品です。

残念ながら、花王やライオン、キリンビールやアサヒビールは、未だこのレベルのグローバルプロダクトをひとつもうみ出せていません。せいぜいアジアの一部の国で売られている程度です。

それくらい「世界中に物流&商流網を構築し、世界中に商品を届ける」のは難しく、時間がかかることなんです。

もちろん今でも(たとえば)プロの使うカメラの大半は日本製です。オリンピックでアスリートを撮影するのに使われるバズーカみたいな大型カメラは、ソニー、ニコン、キヤノンといった日本メーカーのカメラばかりです。

んが、これらは「世界中で誰でもが使う商品」ではありません。ごく一部のプロだけが使う道具です。
そうした(B2Bに近い)ごく狭い市場で物流と商流を築くのは、世界中の膨大な数の小売店に物流と商流を届けるB2C市場の攻略に比べれば、遙かに容易です。

今のところ日本メーカーのB2C商品で、グローバルプロダクトにもっとも近いのはおそらく下記のふたつじゃないかと思います。

キッコーマンの醤油と

日清のカップヌードル

グリコのポッキーなど、アジアに限ればかなり広がってる商品もあるんですが、世界全体となると他にはちょっと思いつかない。


なぜ「グローバルプロダクト」を作るのが日本メーカーにとってここまで難しいのか?
 
この点については、もうすぐ Voicy で解説する予定なので、ぜひそちらもお楽しみください。

・[グローバルブランドを作ることの難しさ]


そんじゃーね


http://d.hatena.ne.jp/Chikirin+shop/