さっき、先週の朝生(朝まで生テレビ)の録画をチラチラ見てたのだけど、「これなら日本の未来はけっこう明るいなー」と(完璧に逆説的な意味で)思った。
今回の出演者は政治家が大半で、田原総一朗さんの左右に民主党と自民党の政治家が配されてた。内容は省略するけど、その討論のくだらないこと、くだらないこと。驚くべきくだらなさだった。
★★★
日本は今まで国際的にみて「圧倒的に、政府やマスコミへの信頼度が高い国」だった。ライフネット生命の出口社長が講演会で、日本人は他国に比べてマスコミへの信頼度がとても高いというデータを示しているけれど、国への信頼度に関しても同じような国際比較があったと思う。
この「最後は国がなんとかしてくれる」、「何かの時はお上に頼ればいい」とか、「とりあえずマスコミがあれだけ言ってるんだから、完全に嘘でもないんじゃないの?」的な感覚は、今や「百害あって一利無し」だ。
そういう感覚が完全に壊れて、「公に頼らず自分の力で生き抜かなければ!」とか、「マスコミの言うことなんて全く信じられない。自分で情報を集めて自分で考えて判断しなければ!」と思う人が増えれば、日本の未来は明るい。
もちろん、これまでも少しずつそういう信頼は壊れつつあったけど、まだまだそれは一部の人の動きだった。未だに新聞を月4000円払って買っている人が何千万人もいるのがこの国だ。
ところが今回の震災と原発事故によって、意識の変化は決定的なものとなりつつある。一気に大きく変化しつつある。いわゆる「潮目が変わる」ということが起こっている。
今までなら「そうはいっても……」と考えていた保守的な人まで、「やっぱり時代は変わりつつある。もう政府とマスコミは信じられない。ネットやNPO、NGOが提供する情報も、自分で集めないと。」と思い始めている。国が発表しマスコミが報じる原発事故関連の情報を信じている人は、福島県にはもちろん、全国でもどんどん少なくなりつつあるはずだ。
加えて笑えるのが、新聞やテレビがやたらと「東電は信頼できない。政府も信じられない。」と書いたり言ったりすること。「へっ?それってまさか、新聞がまだ信じられてるとでも思ってる?」って感じでしょ。あの人達はホントにおめでたい。
そしてそういった流れの総決算が先週の朝生だったと思う。録画を見ながら実感した。「さすがにこの番組をみて、まだ政治家やマスコミを信頼しようという人はいないっしょ」と。
そうであれば
・・・・日本の未来、めっちゃ明るいじゃん!?
常日頃、中国人の人のたくましさを見ていると、その根底に「頼れるのは自分だけ」という強い信念がある。彼らは中国政府のことも中国のマスコミのことも全く信頼していない。アメリカだって「基本は自己責任。自分を守るのは軍でも警察でもなく自分。だから銃規制なんてありえない。」というスタンス。大きなNPOやNGOが多数存在する欧州も、政府を無思考に支持する人は圧倒的に少ない。日本だけが特殊に従順で権威に弱い国民だったのだ。
でも!
日本だって今回の災害と原発事故を機にして、一気に意識が変わるかも!
後は、JALと東電に続きもういくつか大企業が潰れて、かつ、夕張に続き、いくつかの(関西エリアあたりの)自治体が破綻すれば完璧だ。
そうすれば、「国には頼れない」「マスコミは信じられない」に続き、「大企業に入れば安心なわけではない」「公務員もやばいじゃん」という世界の常識が、ようやく日本でも理解される。おそらくそっちも5年以内くらいには明らかになるというのがちきりんの予想だ。
すごいな・・・。
めっちゃ明るいな、日本の未来!
震災も原発事故も心傷む厄災だけれど、あえてそのポジティブ面を語るなら、日本人が「権威依存」「お上依存」「マスコミ依存」から脱却できる決定的な契機になるのかもしれない。そう思えば・・・と、壮大なる「よかった確認」をやってみた。
そんじゃーねー!