2001年に 911テロが起こり、ブッシュ大統領が「テロとの戦い」などと言い出したせいで世の中はおかしな方向に進み始めたわけですが、
実は今、世界は「アメリカとの戦い」の第三ラウンドを始めようとしています。
2015年から 2016年に掛けて
・IS (イスラム国)の台頭と世界中へのテロの拡大
・EU崩壊の怖れ(ギリシャなど財政危機問題からイギリスの脱退へ)
・先進国における中流層以下の抵抗(ピケティ氏やウォールストリートデモからトランプ氏の躍進まで)
など、「世界の潮流が変わった」と多くの人に思わせる様々な事象が起こってるでしょ。
これを過去の世界潮流の大変化と一緒に並べるとこんな感じ
↓
1830年 | イギリス 産業革命で大英帝国の最盛期へ |
欧州&米国による世界の植民地化 | |
1918年 | 第一次世界大戦が終了 欧州から米国へのパワーシフト |
世界の中心は「アメリカ合衆国」 欧州は地位回復のため統合へ | |
1945年 | 第二次世界大戦の終了 米ソ冷戦時代へ |
1989年 | 共産陣営の崩壊 冷戦時代の終了 アメリカ一強時代 |
米国的資本主義&新技術によるグローバルゼーションの進行 | |
2016年 | 抵抗の時代 by 先進国の中間層以下 & by 非西欧的価値観 |
ちょっと複雑でわかりにくいですよね。なので簡単にまとめてみました。
するとこんな感じになるんです。
↓
イギリスの時代 (大英帝国最盛期)
↓
アメリカの時代 (アメリカ>欧州)
↓
アメリカとソビエトの時代 (共産主義革命)
↓
アメリカの時代 (米国的資本主義と新技術で世界制覇!)
↓
非アメリカ的なモノによる抵抗の時代
↓
わかります?
地球上に「アメリカ」が生まれて以来、世界はずうっと、寄ってたかってアメリカと戦ってるんです。
第一ラウンド イギリスとアメリカの戦い → アメリカの勝ち!
第二ラウンド ソビエトとアメリカの戦い → アメリカの勝ち!
第三ラウンド 非アメリカ的な層とアメリカの戦い → ?
3つのラウンドを「戦いの種類」で分けるとこんな感じ
↓
第一ラウンド = 地理的な戦い (米国 vs.欧州)
第二ラウンド = 思想的な戦い (資本主義 vs. 共産主義)
第三ラウンド = 経済的な戦い (成功者 vs. 経済敗者)
or
第三ラウンド = 価値観の戦い (米国的民主主義 vs. 非米国的な価値観)
第三ラウンドでアメリカと戦う「非アメリカ的な層」には二つのグループが含まれます。
a) アメリカ的資本主義に反発する先進国の中間層&貧困層
b) アメリカ的民主主義に反発するイスラム過激派
アメリカとは、その傲慢なほどパワフルな「アメリカ様的な資本主義」と「アメリカ様的な民主主義」を特徴とする国なわけですが、第三ラウンドではその両面に挑戦を受けているわけです。
彼らの戦い方は、次のふたつ。
a) 中間層以下の人達 → 選挙権があるので選挙や国民投票で戦う
b) イスラム過激派の人達 → 選挙権はないので銃と爆弾で戦う
この第三ラウンドが始まったのが、去年から今年にかけて(2015年から 2016年)であり、今のところ a でも b でもアメリカ様(&仲間のイギリス様も)劣勢のようですが、
はてさて今回もアメリカ様は、勝利を勝ち取ることができるのでしょうか?
それと、さらに怖いのは「第四ラウンド」なんですよね・・・
わかります?
これです
↓
第四ラウンド アメリカ vs. 中国
こわっ!
なお日本は昨年の安全保障法制の大改正によって、「第四ラウンドではアメリカ側につく」と表明済みです。
★★★
こうして見ると、第一、第二、そして第四ラウンドは「アメリカと、他の強国」との戦いですが、第三ラウンドだけは、「アメリカと、国ではない勢力」の戦いです。
特に、数で過半を占める中間層以下は、一人一票を原則とする選挙や国民投票では、投票率さえ高くできれば確実に勝利を手にできます。
つまり今回は、暴力に依らずとも「民主的な手続き」によって“アメリカ的なるモノ”を倒せる初めてのラウンドなんです。
だからイギリスのEU離脱が決まり、アメリカではトランプ氏が共和党の候補者になりつつある。
さらに今回の戦いでは、軍事力だけでなく、グーグルやアマゾン、フェイスブックなどのグローバル企業もアメリカ軍の中心部隊に入っています。
今やもっともパワフルな兵士は「人工知能搭載のロボット兵士」かもしれないし。
まっ、第三ラウンドはいろんな意味で他のラウンドとは異なる戦いとなるんでしょう。
はてさてどーなることやら。