前に「最後通告は37歳」というエントリを書きました。
それは「将来が現在の延長線上にしか存在しなくなる」年齢であり、人生の再スタートができなくなる年齢だという話でした。
37歳まで“ぐーたら”だった人は“一生ぐーたら”だし、37歳までに決断できなかった人は、一生決断できない。それは、“今の自分とは違う将来や夢”を語ってもよい最後の年齢なのです。
若手俳優など芸能界のスターも、このあたりで役柄が変わりますよね。というか、変えないとやっていけなくなります。
元々が綺麗な人が多いし、メイクもメンテも完璧だからみんなとても若く見えるけど、それでも 37才を越えて、清純派女優、アイドル、わーきゃー騒いでるだけでかわいいタレント、的なポジションを維持していくのはちょっと大変になります。
演技力でもいいし、大人の色香や、司会者としての才能などなんらか別のものが必要になるでしょう。
また、芸能活動ではなく、レストラン経営やデザイン、グッズ販売などのビジネスに舵を切る人もでてきます。
スポーツ選手も同じでしょう。
30代半ばは明らかな体力の衰えを迎える時期。キング・カズみたいに「ずっとやる!」と決めるのも(彼のように断固たる意思を持って進むなら)ひとつの生き方だし、指導者を目指すもよし、完全に違う世界に入るのもあり、というところです。
いずれにせよ、30代半ばの“転換期”が乗り切れるかどうかで、後半戦の人生が決まるという大事なタイミングなのです。
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この年齢での“転換”には、「主体性が求められる」という特徴があります。
タレントさんでも、10代で売り出した時は事務所の作ったイメージ戦略にのり、言われるままに歌ったり踊ったりしていればいいです。
ですが、30代半ばの転換期には、もちろんアドバイスをくれる人はいるでしょうが、基本は自分が舵を切ってどちらに進むかを決める必要があります。
これは会社員も同じです。
23才の新卒の就職時期には、周りが一斉に「はいっ!ここが転機ですよ!学生から社会人になってください。ここで一生が決まるからマジメにやってくださいねっ!」と号令をかけてくれます。
だからマジメにやっていれば時期を逸するということはありません。
でも、30代後半の転機は、誰も合図をしてくれないので、ぼーっとしているといつのまにか過ぎてしまい、あれっ?と思うと40代になっていたりします。
よく「新卒就職活動の一発勝負がよくない」といわれます。確かに就活の結果がその次の 10年、つまり 35歳くらいまでの人生を大きく左右するとは思います。
けれど、「大事な時期」はもう一度 10年後にやってくるのです。それは“最初の勝負”であった就活を上手く乗り切った人にもやってきます。
繰り返しですが、この“二回目の勝負”は、就職活動みたいに“全員で一斉に動く”イベントとは違い、誰もお膳立てをしてくれません。
だから「転機があること自体」に自分で気がつき、どう舵取りをするかを自分で主体的に考え、決断して動く必要があるのです。
本当にずっとこの会社にいていいのか?転職すべきなのか?等々、自分で意識して考えないと、多忙な日々を送る間に“ずるずる”37歳までの時間が過ぎてしまいます。
また、今まで成功していた人ほどこの転機のマネジメントは難しくなります。
就職活動時期が不況で“挫折認識”のある人は、ずっと「次こそは!」と思っているでしょう。
でも最初に上手くいった人は、リスクをとるのが怖くなります。そこそこ上手く行ってると「もうちょっとこのままでもいけるんじゃないか」という気がしちゃうのです。
そうやって「まだいけるんじゃないか」「まだもうちょっとはいけるだろう」といいながら決断を先延ばしにしていると、37才でなにか変だと気がついて、あれっ?と思っている間に 40才になって……ということが起こります。
というわけで、30代前半のみなさんへ。
人生において 37才は重要な通過点です。そこから先は、未来は確実に見えるものになります。
かといって、37歳の「最後通告」直前でじたばたしても間に合いません。 35才くらいまでに、「キャリア後半戦」のための準備を整えておく必要があるのです。
それが軌道に乗って 37歳を迎えれば、そのまま次の上昇気流に乗れるでしょう。
最後通告は 37歳だけれでど、実質的に大事なのはその数年前の時期なのです!