求む!あなたの仮説

本日のグラフはこちら。青が男性、赤が女性。横軸は時系列で大正9年から約5年ごとのプロット。国勢調査の数字です。

生涯未婚率とありますが、正確には「50歳の時の未婚率」です。未婚には離別死別を含みません。つまり、2005年現在、この年に50歳である男性の15.4%は今まで一度も結婚してない、ということです。ちきりん的な実感よりかなり多いです。


びっくり? それとも知ってました?


未婚というと女性がよくとりあげられて「負け犬」とか呼ばれますが、実際には男性の未婚率の高さに驚きます。2005年現在で、女性の50歳時未婚率は6.8%となんと男性より8.6%低いのです。

この数字の男女格差の意味は?

単純化して言えば、8.6%の女性は「自分が初婚で、相手が再婚」という結婚をしている、ということですよね。一番想像しやすいのは、男性が30歳で28歳の女性と結婚し、50歳になった時に離婚し、再度、その時点で今度は20歳年下の30歳の女性と再婚する。そんな感じです。男女の100人に9人くらいがそういう婚姻関係を経験しているってこと?

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グラフの全体を見ると、3つの時期にわかれてますよね。

(1)大正9年から昭和30年くらいまでの第一期。ここでは男女の未婚率は、「差がなく、かつ低い」です。1.5%くらい。

(2)昭和35年くらいから昭和の終わりまでの第二期。ここでは女性の未婚率は一貫して男性より高い。倍です。でも、2%と4%なので、絶対値としてはそんなに高くはありません。

(3)平成に入ってから男女とも未婚率は上昇しますが、特に男性の未婚率上昇が急ピッチ。


それぞれの時期を振り返ってみましょう。


(1)これはわかりますよね。この頃の日本では基本的に「全員結婚していた」のです。結婚しない人は何らかの障害があるなどを含め、余程の理由があった人だと思います。

(2)も簡単。明治以来の近代国家日本は戦争ばっかしてますから、男性が足りてないのだよね。だから女性の未婚率が高い。男性の50人にひとりは結婚適齢期までに戦死してしまってた。

(3)そして最後の時期。最後の戦争が終わった時(昭和20年)に10歳だった人=戦争で死亡していない世代=が50歳になったのが昭和60年ですから、昭和の終期以降は男女数は均衡してくるはず。そして、それと同時に「結婚しない男性」が増え始めている。急増といえるレベル。

この(3)の理由が一見しただけではよくわかりません。


この(3)の世代は、生まれたのが1945年=昭和20年(戦後直後の生まれ)から1955年=昭和30年生まれ。結婚適齢期の20〜30才の時に昭和40年から60年の高度成長期、です。この世代は一貫して未婚率が上昇してる。男女ともですが、男性の方がかなり急ピッチだ。


女性は比較的理由が想像しやすい。昭和40年〜60年というのは、有史以来!初めて我が国で、女性が自分で自分の食い扶持をまかなうことが可能になりはじめた時期ですよね。

でも男性の未婚率がここまで急上昇した背景はわかりにくい。今と違って経済的な理由が関係あるようには思えない。不況もあったけど、全体としては日本は高度成長国だったし。今の30才代の人達が「こんな給与では結婚できない」と主張するのとは事情が違うと思うのです。


じゃあ、この男性の未婚率急上昇の理由は何さ?


というわけで、今日のエントリの題名通り、皆様の仮説、募集中です。


ではね!