無職の悲哀

1ヶ月くらい前でしょうか、なにかでみつけた日経メディアプロモーション(日経新聞社グループ)主催の無料シンポジウムに申し込んでいました。

開催が来週になったこのタイミングで、先日いきなり「残念ながら抽選に外れたから参加できません」的な葉書が来ました。いわゆる「お祈りメール」ですね。(申し込みはメールだったのに、お祈りは葉書で来ました。)



これを見て、「そうか、これ、抽選だったんだ。申し込んだからって誰でもいけるわけじゃないのね。」とあらためて理解しました。(見直してみたら、元々の申し込み案内にもそう書いてありました。)


よく考えたら当たり前ですよね。先方だって私企業だし、それなりのコストをかけてシンポジウムを主催するんだから、メリットのある人を呼びたいのは当然です。


採用、人事関連のシンポジウムということで、今回は(たしか)、人事コンサルタント高橋俊介氏やリクルートワークス研究所(リクルートグループの人事シンクタンク)の方の講演&パネルディスカッションだったと思います。

そうなると、主催者視点での「来て欲しい参加者」は、企業の人事部スタッフです。で、会場ではリクルート社などが作ってる適性検査キットとか、人事系のソフトとか、内定者研修ビデオのパンフレットが配られたりします。

そもそもイベントの目的はそれら関連グッズのプロモーションであり、そのために、それらに関心があるであろうポテンシャル顧客を一堂に集めることです。講演会は人集めの手段に過ぎません。

だからちきりんみたいに、職業欄に堂々と「無職」とか書いてるおばちゃんを招待する意味は全くありません。(ちなみに、本名で申し込んでいますが、もし“ちきりん”で申し込んでも結果は同じだったと思います。てか、余計だめでしょ。表の世界に住んでる人は誰もちきりんなんて知りません。)


今回「抽選に外れたので参加できません」という葉書をもらって軽く驚いたのは、以前、会社員をしていた頃も時々こういうのに申し込んで聞きに行ってたんですが、当時は抽選に外れたことがなかったので、誰でもいけるもんだ、くらいの意識があったからです。

でも今から考えると、当時、抽選に一度も落ちなかったのは、その当時の申し込み欄に書いていたちきりんの勤め先の会社名や肩書きのおかげであったということです。

別に怒ってるわけでもなんでもありません。あたりまえです。主催者が、シンポジウムに集めたポテンシャル顧客に買って欲しいと目論んでいる商品自体、参加者がポケットマネーで購入するものではなく、会社の経費で購入する商品ですから、大事なのは個人名ではなく立場(購買権限)であり会社名です。


今回、「参加できません」葉書をもらって一瞬、もしかして「職業:人事コンサルタント、名前:城繁幸子」とか、「職業:経済評論家、名前:勝門和代」とかで申し込んだら抽選にあたったのかな?と、チラリと思ったりもしました。もちろん軽ーく犯罪なのでやりませんけど。


この話をしながら「いつかは私も個人名だけで、抽選に当たるようになりたいなー!」とつぶやいたところ、知人が呆れた顔で、「抽選にあたって聴講できることを目標にするんじゃなくて、講師として呼ばれるくらいのことを目標にすべきなんじゃないの?」とかアホみたいなことを言うので、しっかり教えてあげました。


「目標は低くもちましょう!」


そんじゃーね。



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高橋センセのお話を聞きたかったなー!

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