いよいよ本日 Social Book Reading with Chikirin 開催なので、昨日に引き続き、プレアンケートの後半データを共有しておきますね。
最初の質問ですが、昨日も書いたように 6割以上の人が、今、産業革命期並みの変化が起りつつあると考えています。この回答を、年齢別、性別に見てみるとこんな↓感じ
目立つのは、40才以上の女性の「思う」比率が高いことと、、29才以下男性の「思う」比率の低さ&「思わない」比率の高さです。このあたりの理由は、今日のSBRw/Cで是非、ご本人達の意見を聞いてみたいところです。
ちきりんの解釈としては、今起りつつある変化の多くがIT技術の進展により引き起こされており、40才以上の女性にとっては「こんなことが起るなんてスゴすぎる!」のにたいして、29才以下男性にとっては「そんなスゴいことでもないでしょ」という感じなのかと思いました。人は「自分にとって当たり前で、簡単にできること」を「スゴイ!」とは思わないので。
なお、ちきりんの考えについては、こちらをどうぞ → 「革命=支配層の逆転」
次に社会を変えつつある5つの要因について評価してもらいました。
年齢別・性別の違いはあまり無く、全体として私たちは、最初の3つ、「技術の進展」、「グローバリゼーション」、「人口変化」の影響が非常に大きいと感じているようです。
社会の変化がそれより少し下にランクされているのはともかく、エネルギーや環境問題から引き起こされる変化が一番、影響が少ないと思われているのは、ちょっと意外でした。
311前ならともかく、今の日本ではエネルギー問題のために、1970年代以来40年振りに大規模なデモまで起きています。それにも関わらず、この問題が将来の働き方を変化させるとはあまり思われていません。
やっぱりエネルギー関連のデモをやってる人と、ちきりんブログの読者、『ワークシフト』の読者には重なりが少ないのかも?
最後の質問。自分は15年後によりよい働き方を手に入れているか? 目立つのは、40才以上が男女とも「思う」比率が低いことです。当然ですよね。この人達は15年後、一番若い人でも55才ですから。
ただ、それでも(55才以上になっていても!)、今より「よりよい働き方」が手に入れられると思っている人が40%を越えるのだから、この世代の自信はスゴイ!とも言えます。
ちなみにこの世代は1990年から1994年より前に大学生であり、「超景気のよかった日本」の記憶がある人達です。あの時代を知ってると、未来にたいして根拠レスに楽観的になれるのかもしれません。
↑加えて30代のポジティブなこと! 29才以下よりポジティブです。これもよくわかります。今の30代は最も絶望的な時期に社会に出ています。
技術の変化やグローバリゼーションによる変化は、保守層や既得権益層には脅威かもしれませんが、これまでずっと既存の体制にないがしろにされてきた30代にとっては「期待の変化」なのでしょう。
ここまでは、『ワークシフト』を読了&読んでいる途中の人の回答でした。下記では、各質問を「読んでない」人の回答と比較してみました。
最初の質問だけ、大きな差が出ています。本を読んでいない人は、今の変化が産業革命期ほどだとは思ってない人が多いです。これは「鶏&卵」であり、「たいした変化じゃない」と思っているから本を読まなかった、とも言えるし、本を読んでないから「たいした変化だと思えない」のかもしれません。
いずれにせよ、問題意識の違うふたつのグループが存在し、『ワークシフト』を読んでいる人達は、今が時代の大きな変革期であるという問題意識が強いグループだといえます。
ただし、世の中を変える要因についての評価は、本を読んでいる人もそうでない人も変わりません。つまり「どんな要因で世界が変わりつつあるのか」については、本から知識として学ばなくても、日常からも(身の回りの変化やニュースなどからも)感じられる、ということです。
未来の自分の働き方については、「読んでいない」グループの方が、やや悲観的ですが、全体にポジティブである傾向は同じです。本を読んだ人だけが、やたらと前向きなわけではありません。
この点はほんと意外でした。これだけ多くの人が「将来の自分の働き方はより好ましいものだ」と思っているなら、マジで未来は明るいのかも?
・・・おっと、今メールを見たら、著者のリンダ・グラットンさんからビデオメッセージが来てたよ! → “youtube message from Professor Lynda Gratton”
ではまた後で!