未来の働き方アンケート (001) 結果サマリー 1/2

先日おこなった、“未来の働き方”アンケート、第一回の結果を公表します。たくさんの方に回答いただき、有効回答数は7000人を超えました。ご協力ありがとうございます!


まずは、回答者の年齢とフルタイムワークの経験年数を面積で表したのが下図です。

縦の割合は、回答者の年齢分布です。19歳以下は 7011名中 17名のみだったので面積としては見えません。(なのでこれ以降の集計では、20代以下と合算して集計しました)



上図を見る限りちきりん日記の読者は、大半がずっとフルタイムで働いてきているようです。例外として 40代、50代のところに、これまでのフルタイムワークが10年以下という人も10%強、存在します。

これらの人は、
・一時期はフルタイムで働いたけど、今は長く専業主婦かパート主婦をやっている
・主婦ではないが、フルタイムではなくパートタイムの形で長く働いている
のいずれかでしょう。(今回は聞いていませんが、過去の経験から推測するに、回答者の男女比は半々より大きく男性に偏ってます。)


あと、20代でフルタイムワークの経験がゼロという人(おそらく学生さん)は、7000人中、約300人でした。このブログ、学生読者の方がもっと多いかなと思ってたのですが、それよりも圧倒的に「働いている人」に読まれてるんですね。

さらにフルタイムワークが3年未満という人を(ゼロの人と)合わせても 1000人ほどなので、回答者の7人に一人にすぎません。大半の人は、フルタイムで働き始めてから3年以上たつ、まさに今の日本を支えている人たちです。

そして言うまでもなくこの年齢分布は、現在の日本の人口構成比に比べて非常に若いです。今、日本の人口の 43%が 50歳以上ですが(びっくりでしょ!?)、このアンケートでは50歳以上は7.2%しかいません。反対に、人口の 16%しかいない30代が 43%近くを占めています。


★★★


次に、経験社数(自営業・フリーランス時期も1社と数えていただきました)を年齢別にまとめました。上記とは違い、学生さんなどフルタイムで働いたことのない人は除いて集計しています。



これはおもしろいデータですね。20代では「3分の2弱の人は新卒で就職した会社から転職しておらず、3分の1強の人は、転職(か独立)を経験している」とわかります。若い人はもっと転職してるのかと思ってましたが、そうでもないようです。

ところが30代になると、1社目だと答えた人の比率は半減します。つまり、20代では過半の人が最初に就職した会社で勤めているけれど、39歳までというスパンで見ると、ちきりん日記読者の半分以上は、最低一度は転職か独立を経験しているってことのようです。


へー!


これは、煽り甲斐がありますね!  (←違う・・)



実はこういうデータは公式にはありません。なので、ちきりん日記の読者という偏りはあるものの、「30代では、半分以上の人が 2社目で働き始めている」と裏付けられたことには、それなりの意義があります。

というか、私は政府の政策担当者ではないので、日本全体の状況より「ちきりん日記を読むような人の動向」にこそ、興味があります。

みなさんだって、なんの偏りも無い日本全体のデータより、自分が読んでるブログの読者の動向の方が、自分の未来を考えるにあたっては意味があるんじゃないでしょうか? 

同じブログを気に入っているということは、考え方や価値観が似てるってことであり、この結果こそが「自分と似た人のキャリア」なんだといえるはず。

そう考えれば・・・今は20代で1社目だという人も、今はまだ働いていない学生さんも、39歳までにはその半数が転職か独立を経験する可能性が高いわけです。



これは、煽り甲斐がありますね!  (←だから違うって・・)


★★★


次に、「何十年も同じ会社で働いている、いわゆる終身雇用に近い形で働いている人」は、どの程度いるのか見てみます。

下記は、フルタイムワークの経験年数別に社数(自営業時期も1社と数える)を集計したものです。ここでも、「フルタイムワーク経験が3年を超えると、一気に転職(独立など)が増える」ことがわかります。

また、フルタイムで20年も働くと(=40代半ばになると)、1社でずっと働いている人は 3人に1人まで減ってきます。



(表中の数字はすべて、“横に合計したものを100%とした時の割合”です)


上表の一番下、20年以上フルタイムワークをしてきた人のうち、33%弱が 1社のみで働いています。これがいわゆる「新卒・終身雇用モデル」に近い形の働き方をしている人たちの割合なのでしょう。


どうですか? 予想より多い? それとも少ない?

この辺は判断が分かれそうですが、今の40代半ばから50代の人でさえ、そういう人は 3人に1人しかいないということだから、今の20代や30代の人が20年働いた暁には、1社のみの経験しかない人は、この数字よりさらに低くなるとみるのが妥当でしょう。

つまりこのアンケートの回答者層でも、すでに「一社で最後まで勤め上げる終身雇用的な労働慣行」は、唯一の主なモデルではないということです。

また、フルタイムワーク経験が10年を超えると、経験社数が 4社を超える人も3割近くとなり、転職(や独立)を定期的に経験する人も珍しくない状況となっています。

これも、今すでに20年超、働いている人でもそうなのだから、今の20代が40代、50代になる頃には、勤務社数が4社以上の人が全体の半分、といった状況も、十分に想定できます。(というか、すでに現時点で30代の人では、より多い割合の人が2社目を経験しはじめているわけですし)


さて、ここまでの結果はいかがだったでしょうか?

自分の周りの状況と記が大きく食い違うとしたら、それが「今、自分が所属しているコミュニティ」と、「ちきりんの日記を読んでいる人たちの全体像」との乖離を表しています。


引き続き次回は、みんな何歳までフルタイムで働くことになると考えているのか、その感覚に年齢や経験社数の差はあるのか、についてみていきましょう。


そんじゃーね!


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