新幹線のトイレを飛行機にも!

今日はコレのお話し
  ↓

東海道新幹線のトイレです。


東海道新幹線の車内でトイレに入ると“常に”こんな感じなんですよ。
びっくりじゃない?
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「何がびっくりなのか、わからない」って方は、もう一度、よーく上の写真を見てください。

トイレに入ると、“常に”こうなってるんです。

ねっ! びっくりでしょ?

・・・・

注目すべきは、便座(座る時に使う“わっか”部分)が、跳ね上がってることです。

新幹線のトイレは、入ると“常に”こうなっているので、男性で「立って使う」人は、このままスグに用が足せるんです。


なんで?

直前にトイレに入ったのが男性で、使用後、そのまま出て行ったから? 

違います。

もしそうなら、前に使ったのが女性だったら、便座が下がってる可能性があるでしょ。

でも、そういうことは起こらないんです。

便座は“常に”上がっています。


なぜか? 

種明かしは後にして、じゃあ女性を含め、「座って使いたい人」はどうするのか。手で便座を下げる必要があるのか、というと・・・

そんな必要はありません。

なぜなら壁にこういうのがあるから
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上は使用後に水を流すためのもの、下は、便座を下げるための非接触スイッチ(センサー)です。

左側の下にある四角い白枠の真ん中に手をかざすと、便座が自動的に下がってくるんです。ゆっくりと。

で、便座が下がった後トイレを使用すると・・・便座は下がったままの状態ですよね。

壁についてるのは「便座を下げる」スイッチだけなので、「便座を上げる」には、手で持ち上げる必要があるんでしょうか?


それ、めんどくさくない?

触りたくないよね?

大丈夫。

あなたは何もする必要はありません。そのまま、外に出て行けばいいんです。

だってね。外に出るためには、ドアの鍵を外す必要があるでしょ。

これ↓ トイレのドア内側に付いてる鍵です。

トイレから出るためこの鍵を外した瞬間に!

なんと、便座が上がるんです!!!! 
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そう。これが・・・最初にあなたがトイレに入ったときに目にする光景です。

便座は“常に”上がってる。

★★★

ちなみに、ドアから出る時、便器は後ろにあるし、動作音もほとんどしないので、便座が自動で上がっていることに気付いてない人も多いと思います。

あたしは入るたびに便座が上がっていること、壁に「便座を下げる」ボタンはあるのに「上げる」ボタンがないことなどから、

「なにかが変だ・・・」

と不審に思い、ある日、出て行く振りをしてフェイント掛け、さっと振り向いたところ初めて便座が自動的に上がるのを目撃し、驚愕しました。

便器を見て「ええっ!」と声を上げたのは、人生初めてです。

★★★

さて、まずは WHY ? 

なんでこういうシステムなのか?

この仕組みなら、便座が上がっているか気にせず立って用を足し、便座を汚してしまう不届き者がいても、便座が汚れないんです。

これ、長時間フライトの飛行機のトイレで、イヤな思いをした(主に)女性はたくさんいるのでは?

海外の公共施設では、どうせ便座なんてスグに汚れてしまうため、「便座のないトイレ」まで存在してるほどです。(中腰で用を足すことになり、めっちゃ大変)

その点この新幹線のトイレでは、不特定多数の人が使っても、少々マナーの悪い人がいても、便座が汚れる可能性が非常に低い。

全員がやってくれるとは限らない 「上げる」 作業を完全自動とし、

使う人は必ず自分でやってくれる 「下げる」 作業を(半)手動とする。

このアイデアが新幹線クオリティ!

てか、利用者が快適なだけでなく、東京から博多までの運行途中で掃除をする必要もなくなるので、オペレーション上でも大きな意味がありますよね。

★★★

で、So What ?

このトイレのシステムを、世界中の飛行機会社に売り込んで欲しい!!

あたしはこれ、ウォッシュレットに匹敵する素晴らしい日本のトイレ系発明だと思うのですが、まずは

・誰が考えついたの?
・どこの会社が作ってるの?
・東海道新幹線以外の場所にもあるの?
・なんで飛行機会社は採用しないの? コスト? それともスペースの問題?

などについて知りたいところです。

ちなみに飛行機内のトイレは、入り口の鍵と内部の照明がリンクしていて、トイレに入って中から鍵を閉めると明るくなり、出て行くために鍵を開けると照明が消えます。

これは省エネ目的と思われますが、鍵の開け閉めで何かをコントロールしようという発想は既にあるのだから、ぜひこれもやってほしいな。

★★★

というわけで、新幹線のトイレに入ると“常に”こんな感じなんです。
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びっくりでしょ!?



そんじゃーね。


※実験的に、ドアを閉めて中に入り、鍵を閉めずに非接触スイッチで便座を下げ、その後、ドアを開けて外に出たら、便座は下がったままでした。

これにより「ドアを開ける」ではなく、「鍵をはずす」という動作が「便座を上げる」トリガーになっていることがわかりました。

従って理論的には、鍵をかけずに便座を下げて用を足す人がいれば、便座は下がった状態のままとなります。

とはいえ、鍵をかけないとドア外の表示は「あき」のままだし(=鍵をかけると「使用中」に変わります)、実際、外から開けられてしまうので、そんなことする人は(私のような実験をしてる人以外は)存在しないと思われます。

なお、東北新幹線や北陸新幹線のトイレはこのシステムになっていません。東海道新幹線のみの仕様です。


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