自宅マンションをリフォームして 3年たちましたが、日々その住みやすさを実感しています。
そこで、リフォームをお考えの方のお役にたてるよう、「やってよかった!」と思える点をあらためてご紹介しておきます。
今回ご紹介するのは、かなり大きく作った玄関ホールと玄関収納。
玄関ホール、一般的には玄関土間と呼ばれるスペースは、収納部を除く床面積で縦 3.5メーター、横 2メーター、面積では 7㎡(4畳弱)と、ちょっとした個室レベルの面積を確保しました。
これに加えてホールの両側には、天井までの壁面収納も設けています。
玄関、オレンジの布がかかっているところがドアで、そこを入って右側、白いレンガ柄の扉の向こうは巾 2m25cmもある収納で
内部には棚とハンガーを掛けるバー
左手のジャングル模様の引き戸奥も収納スペースで、
横巾の合計 2m70cmと、こちらもかなりの容量。
なぜ、玄関ホールにここまで大きな収納を設けたのか?
理由は、「家の中で使わないものは、玄関より奥には持ち込む必要がない」と考えたからです。
リフォーム前にあらためて持ち物を振り返ってみたところ、「家の中ではまったく使わないモノ」が想像以上に多いと気づきました。
外出時しか使わないなら、それらを屋内に収納するのは生活動線の無駄でしかありません。
なんであれ屋内で使わないなら玄関に収納すべきなのです。
そう考えて「玄関に収納すべきもの」をリストしてみたら、我が家の場合、「家の中で最も大きな収納が必要なのは、玄関である!」という結論となりました。
そこで今日は、その時に使った「家の中に持ち込む必要のないものリスト」を共有したいと思います。
家の中で着ることはないので、玄関にコート・クロークを作りました。
帰宅後、ソファの上にコートをおきっぱにしてしまうのは、コートをしまう場所がベッドルームに近いクローゼットだったりするからでは?
帰宅後、わざわざウォークイン・クローゼットまでコートを持って行くのは面倒ですよね。
それが玄関にコート置き場を作って以来、ずぼらな私でさえコートをリビングに持ち込むことはなくなりました。
また、コートクロークの巾は 45センチなので、5着ほどしか入りません。新しいコートを買えば、どれかを捨てなければならない。
専用スペースを設けたことにより、収納キャパにあわせて物の量をコントロールするという意識が生まれました。
コート収納部には、マフラーや手袋など防寒グッズもまとめて収納しているため、以前のようにマフラーや手袋が部屋の中まで持ち込まれ、リビングのテーブル上に放置されるという事態もなくなりました
スーツケースやキャリーケースも屋内で使うことはありません。
旅行が多い私がもつ大小あわせ 4つもの旅行鞄は、すべて玄関収納に収まりました。
パッキングやアンパッキングも玄関ホールで行うので、リフォーム後はスーツケースを玄関より奥に持ち込むことがなくなりました。
ここのポイントは、収納庫の底に板を張っていないこと。
なので、キャスターのまま滑り込ませたり、引っ張り出したりできます。
車輪の汚れを気にする必要もありません。
キャリー以外では、子供の三輪車や土のついたスポーツ用具なども、こういう方式にすればしまうのも簡単だし、ドアを閉めれば見えなくなり、玄関がすっきり保てます。
ミニサイズのシャンプーやリンス、化粧品など旅行時にしか使わないグルーミンググッズ、パッキングに使用するインナーバッグ、アクションカメラとその付属品など旅行グッズは、すべてスーツケースの上の段に置いた、引き出しボックスの中に保管しています。
サファリや途上国への旅行も多いので、虫除けグッズやミニドライヤー、湯沸かしポットなど、あれこれモノが多い私・・・
以前は旅行の準備をする時、家中のあちこちから持っていくものを集めるため走り回っていましたが、今は必要なものはすべて玄関にあるので、玄関ホールだけで旅の準備が整います。
戻ってきた時も同じで、鞄の中のものを片付けるのに家中を歩き回る必要がなくなり、大幅な時間の節約になりました。
マスク、ハンカチ、エコバッグ、ティッシュ、ウェットティッシュなども玄関収納内にストックしてあり、必要なものを出かける直前にバッグに補充します。
夏に使うサングラスや日よけの帽子、冬用の手袋、年中使う時計なども玄関に。
でかける直前に玄関で腕時計をつけ、帰宅後もすぐ玄関で外すため、腕時計が「どっか行っちゃう!」こともなくなりました。
ホッカイロも屋内では使わないので玄関に収納。寒い場所で長時間すごす予定のある日は、ひとつふたつ鞄に放り込んで出かけます。
私の場合はマリングッズですね。
フィン、スノーケルマスク、ラッシュ、水着、救命胴着、マリンバッグなどはすべて玄関に収納しています。スーツケースのすぐ上の棚なので、パッキングもアンパッキングも楽々です。
「夏のリゾートホテルでしか着ない」派手柄のサマードレスも同じ場所に収納。
最近はキャンプが人気のようですが、キャンプグッズだって外でしか使わないなら玄関に収納できたほうが便利でしょ。家の中も汚れないし。
その他、釣りやゴルフなどアウトドア趣味の多い方、結構いろんな道具をお持ちだと思うんですが、全部玄関に収納すればいい。広いホールは、そういった趣味道具のメンテナンスにも便利です。
大人用品だけでなく、子供のスポーツ道具や、学校にもっていくお習字セットなども、家の中で使わないなら玄関に掛けて置いた方が忘れ物も少なくなって合理的。
てか、子供が学校から帰ったとき、サブバックを玄関に放置したままリビングに上がってくるのは、それらサブバックを置くべき場所として最も適しているのが玄関だってことを示唆してるんじゃないでしょうか。
モノを送るときは玄関ホールでパッキングするので、段ボールや包装材は玄関収納。
DVDやパソコンなど、10万円を超える機器については修理に出す可能性を考え外箱を保存していますが、これらも大容量収納に収まっており、
修理に出す際には玄関ホールでパッキング、そのまま宅配便に取りにきてもらいます。
受け取った宅配便も玄関ホールで開け、中身だけ出してその場で段ボールを潰してしまい、折を見てゴミ置き場に持って行くので、ダンボールを居室に持ち込むことはありません。
「家の中では絶対に着ない」服がたくさんあります。
典型的なのはフォーマルウエアやパーティドレス
講演用の服(ワンピースやジャケット)も、シワを防ぐため、着るのは出かける直前、帰宅後はすぐに脱ぐので、玄関ホールにつくったクローゼットに収納しています。
(一番左がコートクローク、真ん中がオンシーズン、右側はオフシーズンの服です)
加えて!
最近は厚手のセーター類も玄関クローゼットに収納するようになりました。
というのも、二重窓を付けたら冬でも屋内がめっちゃ暖かくなり、厚手のセーターも外出時しか着なくなってしまったから・・・
ここの他、パウダールームにもクローゼットがあるのですが、そちらは「家で着る服」を収納。つまり、ホームウェアとパジャマくらいです。
このため我が家の洋服収納スペースは、屋内より玄関クローゼットのほうが大きい。
てか、上記がほぼすべての (季節の) 私の外出着です。
玄関には鏡もあり、翌日の外出に備えてコーディネートを考える際にも、洋服と靴を合わせてチェックできます。
スポーツジムにもっていく鞄(靴などが入っている)も玄関収納。
冠婚葬祭グッズも外出時しか使わないので玄関に置いてます。
あと、お面など「ちきりん用」の変装グッズがあるんですが、これらも家の中で使うことはないので、玄関収納。
それに加え、粗大ゴミやフリーマーケットで処分する予定の不用品の仮置き場としても玄関収納を使っています。
これはあたりまえ。大半のおうちで玄関に収納されてると思います。
もちろん、鍵、ハンコや宅配便を開けるためのナイフも玄関脇に収納。
★★★
どうでしょう?
家の中で使わないものって、かなり多くないですか?
それらを「玄関から奥には持ち込まない!」と決めてみたら、玄関収納がここまで大きくなったというわけです。
加えて我が家では、宅配で届く飲料水も玄関脇に収納しています。
災害用備蓄を兼ねたローリングストックなので少しずつ冷蔵庫には移しますが、宅配が届いたときはすぐ玄関に収納できたほうが便利なので。
うちだけでなく、最近の注文住宅やマンションリフォームでは、こういった大きめの玄関収納が増えているんじゃないかと思います。
そんな中、我が家がユニークなのは、玄関土間も「四角に近い形で大きくした」こと。
こちらにもいくつか理由があります。たとえば、
1) 家具の組み立てや旅行のパッキング、雨天時などの洗濯物干しなど、多目的に使える広いスペースが欲しかったから。
いくつか活用写真を載せておきましょう。
まずはディスプレイと、それを乗せるデスクを購入したときの様子。スペースに余裕があり、組み立て作業もラクラクでした。
DIY 好きな人なら、作業スペースとしても活用できると思います。
次の写真は長期旅行のパッキング途中。
旅行の準備って、あれこれ出したり入れたり結構スペースが必要。
今はその作業をリビングで行う必要がなくなり、旅行前後でも LDKがぐちゃぐちゃにならなくて助かります。
玄関のスグ横がキッチンなので、換気扇を分解掃除した後は玄関ホールにひろげ、サーキュレーター(黒くて丸いの)で風を当てて乾かします。こういうのも場所をとるんですよね。
大雨の冬の日など、帰宅後に濡れたダウンコートと傘もホールで乾かします。
うちの玄関ホールには窓もあり、エアコンも付けていて、かつサーキュレーターも持っているので、湿気た洋服や洗濯物を乾かすにも便利。
雨が続く季節には、このホールが臨時の洗濯物干し場に大変身(※敢えて写真なし!)
玄関側(北側)の窓が結露するおうちは少なくないと思いますが、我が家は窓を断熱性の高い窓に変更したため、現在は結露はほぼありません。
むしろ窓のからの風が気持ちよい、(玄関土間というよりは)とても快適なお部屋になりました。
なお二重窓の効果も本当にすごいので、ぜひ別エントリもご覧くださいませ。
→
chikirin.hatenablog.com
さらにこの玄関ホールには、将来、電動車椅子などが置けるよう充電用のコンセントも設置済み。
DIYの電動用具も使えるし、電動自転車の充電も可能です。
もちろんこれだけのスペースがあれば、高価なロード系の自転車や、大型ベビーカー、子供の三輪車、車椅子などを置くにも十分です。
2)玄関ホールを大きくしたもうひとつの理由は、来客対応です。
私はフリーランスとして働いており、一定の頻度で来客があるので、玄関ホールにはエアコンも設置しています。
下記は書籍の担当編集者の方。
いつもはワークスペースに置いているキャスター付きのデスクと椅子を移動し、ここでゲラチェックや打ち合わせをします。
玄関ドアの右側にかかっているダウンは来客者のもの。来客者用のコート掛けとしてフックとハンガーがあります。
たまにですがメディアの取材を受ける際も、ここで。
金融機関の方やメディアの担当者が「一度ご挨拶に」とかいって来られた際もここで対応。
玄関ホールは下足エリアなので、お客様には靴を脱いでもらう必要もありません。(私は玄関ホール用のスリッパを履きます)
お子様のいらっしゃるおうちなら、学校の先生の家庭訪問なども、家の中を見られなくて便利なんじゃないかと。
また、屋内なので wifi も飛んでおり、ZOOM 会議をここで行うこともあります。
すると背景の壁紙が派手なので、まさか自宅とは思われず、生活感を隠したままオンライン会議に参加できるのも気に入っています。
★★★
しかも大量のモノを収納していながら、左右の巨大な収納スペースのおかげで、通常、床に出ているのはベンチひとつと靴ひとつ。
私はオシャレなディスプレイが得意じゃないので、オープン収納ではなく、扉をつけてすべて隠せるようにしたことが、自分の性格にとても合っていました。このあたりはご自身の判断で。
※床に貼ってあるのは、屋外用の石のタイル
※日々の掃除はクイックルワイパーで。家具の組立て後などは掃除機をかけます。
以上、長くなりましたが、これからリフォームやリノベをしたり、家を建てるという方の少しでも参考になれば嬉しい限り。
これ以外にも、「家を買うか賃貸のままでいくべきか」の判断についてや、「リフォーム業者の選び方」などに関し、いくつか書籍を書いています。
それぞれの内容は音声もしくはブログで説明していますので、よろしければぜひ聞いて(読んで)みてください。
音声での説明
ブログはこちら
chikirin.hatenablog.com
別の箇所についても、またそのうちご紹介できればと思います。