先日、温泉旅行に行ったのですが、そこで見たある地域がすんごいことになっていたので、思わず知人の木下斉さんにツイッターDMで「この町ってどーなってるんですか!??」と聞いてしまいました。
そしたら(いつものことながら)すぐに、かつ完璧に教えてもらえ、感謝するとともに「やっぱすごいな」と感嘆しました。
木下さんは地域再生のプロで、関係する著作もたくさんあります。
【受賞のお知らせ】
— 木下斉/Hitoshi Kinoshita (@shoutengai) December 24, 2018
尾崎行雄記念財団主催「咢堂ブックオブザイヤー2018」にて、「凡人のための地域再生入門」https://t.co/ci7wGx9ud8 が地方部門大賞となったそうです。注釈がきめ細かく、「実践可能性」の高さが好評価を受けたとのこと。
ありがとうございます!!https://t.co/CoZFjUJIin
これ、何がすごいかというと、私はわからないことがあれば、大抵の場合グーグル先生に聞くんです。
でも地方都市の実情について知りたいことがあったら、(後述するように)もちろんグーグルでも基本的なデータは調べるのだけど、
「やっぱコレは木下さんに聞くべきでしょ」と思うし、実際そうします。
なぜなら木下さんの回答は、こと地方の実情に関して言えば、グーグル先生の回答より遙かに本質的だし、わかりやすいから。
で、思ったのが、「専門家の価値ってのはこういうことだよね」ってこと。
なにか知りたいことがでてきたときに、「グーグル先生に聞いたほうがマシ」みたいな人は専門家として成り立ち得ない。
それは「知識の深さ」という意味だけではなく、「わかりやすく説明する力」や、「こちらの質問意図を(こちらの語彙力が拙くても)しっかり読み取ってくれる力」とかを含めて。
ここがわかってないと、専門家になりたいからといって「がむしゃらに知識量を増やす」みたいなことをして、逆にグーグル先生に返り討ちにされてしまう。
大事なのは、ソコじゃないんです。
今回に限らず地方の街について知りたいことがでてきたら、私はたいてい木下さんに聞くのだけど、
その回答は常に「グーグル超え」だし、多くの場合、「グーグルなんか足下にも及ばないよね」と思えるレベルです。
このように「人間の専門家」というのは(すくなくとも今のところ)「グーグル超え」はもちろん「グーグルなんて遙かに超越」しています。
そして(繰り返しますが)その理由は「知識がグーグルより豊かだから」ではありません。
そうではなく、知識を自分独自の「思考の棚」に格納してるから、ものすごくユニークな洞察を持っている。
価値はそこにこそあるんだと、あらためて認識しました。
※「思考の棚ってなに?」って人は下記の本をお読みください。
ただし最初に書いたように、「グーグルに聞いてもわかりそうなこと」はもちろん(先に)そっちで調べます。
たとえば人口とかその推移、財政規模くらいはググればすぐわかる。そんな数字まで木下さんに聞くのは申し訳ない。
だから先にグーグルに聞くだけであって、けっして「グーグル先生のほうがよく知ってそうだから」先に聞くわけじゃない。
さらに大事なのは、先にベースとなる数字を手に入れておかないと、木下さんに「まともな質問」ができないってことです。
基本的な数字を知れば、「なにを木下さんに聞けばいいかがわかる」から、先にググる。
これは「専門家に意味のある質問をしようと思えば、先にグーグルで予習しておく必要がある」ってことを意味します。
そして、専門家の話を聞くと「次にググるときに使うべきキーワード」が手に入るのも大きい。
この「価値あるググりキーワード」を教えてくれるのも、専門家の大きな価値なんですが、これも気づいてない人が多そう。
専門家に聞くべきは「答え」ではなく、その洞察=「どんな思考の棚を作るべきなのか」と、「今後の学びの生産性を飛躍的に上げてくれる、価値あるググりキーワード」なんだよね。
まとめれば、
1)ググって、ベースとなる知識を得る
2)それを自分の「思考の棚」に入れて、自分なりの(超つたない)洞察を得る=「自分のアタマで考える」の実践
3)その洞察を専門家にぶつけて質問する
4)専門家から、(自分の出した洞察より)遙かに高いレベルの洞察を教えてもらう=どんな「思考の棚」を使うべきなのかを学ぶ
5)同時に、専門家の洞察から得た「価値あるキーワード」でググりなおし、さらに理解を深める(→1へ戻る)
というのが、標準(推奨)プロセスだってこと。
グーグルで予習 → 専門家に教えてもらい → グーグルで復習
といってもいいかな。
ちなみにSNS上では、最初の「そんなのググればいい」ことをいきなり専門家に質問してる人がいるけど、それはちょっと失礼だし、
自分の思考力の低さが(衆人に)バレてしまうので、質問者にとってもいいことはないと思います。
以上、少なくとも 2019年の段階では、まだまだ AI型検索エンジンというのはそのレベルなのだという記録のためと、
木下さんへの御礼とレスペクトを表するために、書いてみました。
地方再生関係の御著書、たくさん書いていらっしゃいますので、興味ある方は、ひとつは読んでみればいいと思います。
地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門posted with amazlet at 19.11.22木下 斉
ダイヤモンド社
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稼ぐまちが地方を変える 誰も言わなかった10の鉄則 (NHK出版新書)posted with amazlet at 19.11.22木下 斉
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