この博物館は堪らない

今回の旅行では、大半が「ロマノフ系観光」をしていたのですが、自分の趣味である「共産趣味側観光」もちょこっとだけ混ぜてみました。

そのひとつ、モスクワの現代史博物館にあった、かなり笑える地図のご紹介です。ちなみにソビエト時代には「革命博物館」であっただけあって、その頃の展示はかなり充実していて趣味人にはお宝モノ、垂涎モノどっさりです。

加えて下記のようなペーソス溢れる作品も多いです。

時期はゴルビーがペレストロイカでアメリカに急接近した頃のものです。ロナルドレーガン大統領と握手する満面の笑みのゴルビーの写真。その写真の隣にあった地図です。地図のタイトルは「ロナルドレーガンから見た世界地図」です。

これ、おもしろすぎます。写真でも少し読めるかな?

★★★

日本が車の形をしていて「Japan Corporation」と表記されているのはともかく、
台湾=Our China
中国=Their China
には笑えます。


また、中東には「Our Oil」の文字が。


ロシア(当時のソビエト)は、「神を信じぬ共産主義者と、嘘つきとスパイの国」。

カナダは「アメリカの子会社」、キューバは「ソビエトの植民地」。イギリスは「サッチャーランド(ディズニーランドみたいなもの)」、オーストラリアは「カンガルーの国」です。

アフリカは「エジプト」以外はまとめて「黒人の国」と表記、中東には巨大なイスラエルが登場。パレスチナは??と思うと、北極辺りに「この辺にパレスチナ国家を作ればいいのでは?(提案)」と書いた小さな島が・・・

★★★

共産下のソビエトでは、多くの「自虐ギャグ」が楽しまれていたわけですが、この地図もその流れのひとつでしょう。

ギャグの方では、「当時モスクワでは、KGBのビルより高いビルは禁止されてたんだ。そうすればここからシベリアの収容所が見張れるからね」とか。スターリンが次々と政敵や反抗する人達をシベリア送りにしていた頃のギャグです。

「ロシア政府の同盟組織?ロシア海軍とロシア空軍(だけ)だね。」ってのもあります。


ちなみにベトナムでも昔聞きました。「日本で天災ってなに?地震?そうなんだ。ベトナムが一番困ってる天災はコミュニズムなんだよね〜。」とかね。

ほんと、人間はたくましい。つーか、冗談くらい言わないとやってられない時代ってことだったんでしょう。

★★★

同じ博物館にあったプロパガンダのポスターもひとつご紹介しましょう。こちら、

1929年か30年に作られたものでしょう。赤線のCCCPという表記がソビエトのこと。上の青いのはイギリスのようです。1929年といえばニューヨークの暴落に端を発した世界恐慌が始まった時期です。

この時にソビエトがいかに「ほらみろ!!資本主義の終焉だっ!!!」って喜んだかが、非常に良くわかるポスターですね。右下の方でずっこけているイギリス国旗マークの帽子のおじさんが笑えます。この時ばかりは、これで共産主義の勝利だ!と確信したのだろうなあ〜。哀しい感じですね。

★★★

趣味人的に一番気に入ったのはこれ。このポスターは売っていたら買いたい感じです。

おそらく革命後わりと早い時期に作られたものでしょう。ロシア語は読めませんが、一番下のサインは「レーニン」です。

うーん、欲しい!!


というわけで、本日は「ちきりん趣味系」の話題で固めさせて頂きました。明日はロマノフ系についてお伝えします。


んじゃね〜