グッドウィルグループはコムスンでの介護保険の免許取り消しに加えて、人材派遣の方もやられました。例の和歌山県知事さん含め官僚の方々も、このお正月は安心して愉快に美味しいお酒を楽しめると思います。よかったですね。
→ http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20070611
★★★
今回の営業停止の理由は「派遣が禁止されている港湾関係への派遣をやっていた」「禁止されている二重派遣をやっていた」ということですが、これ事実上ひとつの罪です。港湾関係へは人材派遣が禁止されているので、他の会社を経由して(つまり二重派遣の形で)派遣してたってことです。
つまり、「港湾関係に派遣した」からアウトになったんです。
行政権力者の折口イジメ(目つきも育ちも悪いからね!)の様相は、上記の過去エントリにも書いた通りですが、グッドウィルグループにとどめを刺す今回の営業停止の理由が“これ”だったことは、結果として非常に興味深いです。
皆さん、なんで港湾の荷役労働に人を派遣しちゃいけないのだと思います?
“港”での荷下ろし、荷積みだけ、なんでだめなのか。港以外の場所、たとえば工場でその荷物をトラックに積み下ろしする作業に人を派遣するのは問題ないのに、“港湾”という限定した場所を“派遣できない場所”として“法律が指定”してる理由はなんでしょう?
これ、“港湾は暴力団の縄張りだから”というのが理由のひとつなんじゃないの?と思うのですよね。
ご存じのとおり、山口組はその成り立ちにおいて神戸港の港湾労働の仕切りで組の基盤を作りあげました。この例に限らず日本における港湾ってのは、そういう団体が人を手配して仕切ってきたという歴史があります。
だからチャカやブツの密輸もできたし、指名手配された“組の功労者”もこっそり香港行きの船に乗せちゃうとかできる。物資の流通が規制されていた時代には“横流し”的な裏ビジネスも多く存在したと思います。
今、日本の港湾は24時間稼働じゃないしコストも高くて国際競争力が全然ありません。アジアの海運物流は中国や韓国、その他のアジアの港湾を起点として動くようになっていて、日本の港湾は国際的な流れに取り残され、一直線に滅びていく運命にあります。
それでも政府はこの現状を改善しようとしません。“港湾”というのはとても特殊な場所であり、国際競争力や生産性云々というビジネスの論理や普通の管理が通用する場所ではないのです。
そして人材派遣業法を作るときも「わざわざ」“港湾には派遣を禁ず”という項目まで入れて、港湾の利権は守られた。港湾への人材派遣というのはまさに“そういう団体の方々”が仕切っている仕事であって、よそモンに荒らされてはかないません。
警察としても“山口組の利権を守ってあげなくちゃ”いけないし。
折口会長がこの港湾への派遣で“トドメ”をさされたのは象徴的だと思います。この国で一番怖いもの二つに同時に喧嘩を売ったら勝ち目無いです。
やくざと官僚には勝てません。
じゃね。