一貫性

(1)北朝鮮の金日成氏の後継者は、息子の金正日氏です。この世襲は民主主義的であり、正しいと思いますか?

(2)パキスタンのブット首相の後継者は、息子のラワル氏です。この世襲は民主主義的であり、正しいと思いますか?


(3)原材料の肉の種類を偽っていたミートホープという北海道の食肉業者が、肉(最高級和牛とのこと)をくれると言ってきたら欲しいですか?

(4)原材料の肉の種類を偽っていた船場吉兆という高級割烹が、肉(最高級和牛とのこと)をくれると言ってきたら欲しいですか?



ちきりんの答えは、

(1)いいえ
(2)いいえ
(3)いいえ
(4)はい


微妙ですね・・・自分の性格の強さ弱さ加減が微妙に反映されてて笑えます。


★★★


パキスタンのブット首相の息子は“例によって”イギリスのオックスフォード大学に留学中とのこと。ブット女子自身もイギリスでずっと教育を受け、暮らしていました。

だいぶ前のことだけど、ミャンマの軍事独裁政権の幹部の子供の結婚式がすごく豪華だと、そういうビデオが流されたのを覚えてますか?

ミャンマの庶民が苦しんでいるのに、独裁者の子供がこんな豪華な結婚式で、食べ物も溢れていると。そう言いふらしたい人が作ったプロパガンダのビデオです。日本のテレビ局は鬼の首でもとったように何度も何度もその映像を流してました。



でもね、ブット女子やその息子がイギリスで長期間滞在し、勉強する費用は、誰からでてるのでしょう? ちなみに、ミャンマーの反政府活動家のアウンサン・スー・チー氏も長くイギリスで教育を受けています。

お金の出所はふたつしかあり得ません。ひとつは「その国のお金」であり、もうひとつは「その国以外のお金」です。

それが「その国のお金」であるなら、上記の結婚式と同じ批判が成り立ちません? 庶民は食べるのにも苦しんでいるのに、“親が首相(もしくは将軍)であったという理由だけで”その子も孫もイギリスに留学する費用を国民から奪ってもっていってしまうのか? と。


そっちだってビデオ作るべきでは? パキスタンやミャンマーの餓死寸前の子供達の映像と、オックスフォードのキャンパスで友人達とコーヒーチャットを楽しむラワル氏やスー・チー氏の学生生活の映像を交互に組み合わせたら、いいビデオになるんじゃないの?

留学中のブット女子やワラル氏が履いてるジーンズ一本で、何人のパキスタンやミャンマの孤児達が飢餓から救われるのか、計算してもいい。

ミャンマやらパキスタンの国内で少々豪華な結婚式してかかる費用と、ハードカレンシーであるポンドが必要な英国留学とは、実質的な費用総額が全然違います。イギリスで何年も暮らすって日本人でも大変ですよ。


★★★

ただし、パキスタンやミャンマの庶民から搾取したくらいでは、こういう費用全部は出せません。当然“外部の支援者”からも、かなりの額が出てると思います。

支援者って誰か?って。

CIAとか、時期によってはソビエトも出してた時代があるでしょう。



これら外部の支援者達が“世襲の”将軍のお嬢様やお孫様の留学費用を出すのは何故?

将来、彼らをと傀儡政権として擁立し、その国を自分達の意に添うように運営したいからだよね。だから先行投資をする。


日本政府だって、満州国の皇帝に擁立された溥儀の家族を相当数、日本に留学させたりして投資してたじゃん。


んじゃね!