テレビを見てたら、多くの企業がリーマンショック後の不況をなんとか乗り切るため、血のにじむような工夫をしてると紹介してた。
トーンとしては「みんなで我慢してこの苦境を乗り切りましょう!」って感じだった。
無駄遣いや使い捨てになれた現代生活を反省して、「もったいない」精神の生きていた“古き良き時代に皆で戻ろう!”みたいなノスタルジックな番組だったよ。
きっと戦争中に行われた「欲しがりません! 勝つまでは!」ってキャンペーンってこんな感じだったんだろうなと思わせられた。
一部、内容を紹介すると・・
オフィスの蛍光灯を一部外して電気代を浮かし、
しかも外した蛍光管は保管して、使ってる蛍光灯が壊れた時は(新しいのを買わずに)そこから補充するとか。
社内での連絡便のために使う封筒も、破れてもセロハンテープで修理して長く使うとか。
社内の文具置き場には貸出票がおいてあって、はさみとかテープとかそこから“借りて”、使い終わったらそこに戻すとか。文房具費用の今年の新規購入予算はゼロなんだって。
同じビルにはいっている他の会社と“営業車”を共有して使うっていう会社も紹介されてた。
カーシェアリングっていうらしい。
予約はネット上でできて、使った時間に応じてコストを割る。3台の営業車をそのビルに入ってる 10社くらいと 2人の個人で共有してると。
出張は全面禁止で、全部テレビ会議でやるんだって。
パソコンもアップグレードは全面停止するんだって。
社内で購入していた専門雑誌や専門新聞誌の購読も「課で一部」を「部で一部」に減らすんだって。
業者のコーヒーメーカーが入ってたのをサービス停止にして、飲みたい人はインスタントコーヒーを自費で共同購入して給湯器のお湯で自分で作って飲むことにするんだって。
本社のレイアウト変更も中止にしたんだって。新しい家具買ったり、工事や引っ越しにもお金がかかるから。
それに、今まではバイク便に資料配送を頼んでたんだけど、これからは社員が地下鉄にのって届けるらしい。
あっ、もちろんコピー紙を裏表使うとか、カラーコピー禁止とか、それにしたってできるだけ印刷しないとか、昼休みに電気消すとか、残業しないってのはもう常識なんだって。
ふーん。
とりあえず、
文房具メーカーと電球メーカーと自動車メーカーと
損保会社と駐車スペースを貸してる不動産会社と
パソコンメーカーとソフトメーカーとオフィス家具メーカーと引っ越し業者と
オフィス工事会社と飛行機会社とホテルとJRと
オフィスドリンクサービス会社とバイク便会社と専門雑誌や専門誌の出版社と
電力会社と製紙メーカーとコピー機メーカーの
売り上げはかなり落ちるよね。
こんなことされちゃあ。
ん〜
これって、日本経済のためにみんなで経費削減をして頑張ろう!っていう番組だったんだろうか。
それとも、経費削減なんてしたら経済が落ち込んでしまうよ!という警告番組だったんだろうか?
それとも、いろんな会社の売上げを減らして、みんなでもっと不況を大きくしようという番組だったのかな?
実際、文房具メーカーの社長が見ていたら、この局からはCM全部引き上げたいと思ってもおかしくないような内容だったよ。
「こうすれば文房具代をゼロにできますよ〜」みたいな工夫を次々と嬉しそうに紹介する番組って・・・
文具経費ゼロって文具メーカーから見ると売り上げゼロってことっすよ。
オフィスビルでの営業車共有システムだって、自動車会社的にどうよ?「おっ、こんな手があったか!」とか気がつかせちゃうわけで。そうでなくても車なんて今、全然売れないのに。
この番組が不況を乗り切るために役にたっていると思っているのか、それとも経済状況に“より大きな害悪”を与えたいと考えて作られた番組なのか、イマイチ趣旨のわかりにくい番組だったでごじゃります。
byちきお