今日は、人工知能 (A I) についてのアンケートの「Q5. 高度な人工知能が開発されることに関して、不安に思うことは何ですか?」という質問で、自由回答欄(その他)に寄せられたご意見の紹介です。
<これまでのアンケート結果>
→ アンケート01.回答 <2050年に人工知能は・・?>
→ アンケート02.回答 <前半 A I のある未来は楽しみ? それとも不安?>
その他の中で最も多かったのがコレ(全体で最も多い不安はこれではないです。念のため)
1.悪用への不安
・AIを悪用した犯罪が増える
・テロ集団、犯罪集団による悪用
・コンピューター絡みの殺人が、やはり増える。新しい技術だし、それは仕方ないか。
・違法改造されたロボットによる犯罪が増えることが不安です。
・個人で利用可能なAIによって、より危険な科学技術が広まる。(大学生がネットで買える材料で核ミサイル作れてしまうとか)
・コンピュータ(人工知能)が関わると予測される為替・株等金融取引関係、電子決済が脅かされたり、個人情報の悪意的流用が一層なされる。
・発展が急激なため、十分な認識と知識を持たない人達が暴走するかもしれない
・その人工知能を作り、持つ「人間」の意のままの社会が生まれる
・恣意的な行動操作が一層進む
こういった悪用への対策も含め、「法整備が追い付かない気がする」という意見もありました。「どういった法整備が必要なのか」というのも、大きな論点ですよね。生殖技術もそうですが、規制や倫理問題で研究が進まなくなるケースもあるし。
悪用に加えて、事故の心配も。原発技術だって昔は、「夢の技術」って言われてたわけですしね・・
2.事故への不安
・人工知能を過信したが為の大事故。
・プログラムのバグ.人間が頼り切ったところで不具合が生じると困る.
・プログラムのバグや停電などで機能停止してしまい、復帰まで時間がかかる場合にライフラインがストップして生活が成り立たなくなる。中央管理でネットワーク接続されたAIシステムが一斉にシャットダウンするとか。
・コンピュータの誤作動を人間が止めれなくなる。
格差について不安を感じる人も多いようです。
3.格差への不安
・価格が下がらず、低所得者が恩恵に預かれない。
・お金持ちが事実上の不死を手に入れる
・人工知能の恩恵を享受できるところとできないところで格差が増大して、植民地時代っぽい差別が生まれる
・生産性が人工知能を所有するごく一部の人に集中して想像できないくらいの格差社会になるんじゃないかな。
・想像もつかないスピードで世界が変わっていき、それについていけない人は不自由な生活を強いられるようになるのではないか
・今よりも大量の情報や選択肢を受けとることが可能になるので、大量の情報や選択肢に惑わされすに自分のアタマで考えることができる人とできない人の差が今よりもますます大きくなること。人生の歩みに差が出てくると思う。
格差については、経済力による格差だけでなく、変化についていける人とそうできない人の格差など、様々な格差がありえそうです。
あと、上記では金持ちに限って出てきてますが、「寿命を自分で決める日がくる」という指摘が興味深かったです。
コレってつまり、「不老不死が実現するので、いつ死ぬかは個々人が決める時代になる」ってことなんですが、人工知能世界における不老不死についてはいろんな意見があると思うので、また次のアンケートで聞いてみたいです。
人間が退化することへの不安も多かったですね。
4.退化への不安
・AIに管理され、人が'考えること'を辞めるかもしれない
・人間は自ら考えなくなる(思考は人工知能にお任せ)
・人間が自分で考えることを放棄してしまう。
・頭を使わない人がふえる
・人が思考しなくなる。人工知能まかせになる
・考える→(閃く)→決める事をできない人間が増える
・コンピュータにリードされるのが当たり前となり基本的なことでも指示がないと動けない、考えない人間が増える。
・幼少期に基礎学力(疑問を持つこと、それを解決したいという欲求)を養う機会が少なくなる
・人間の能力が退化する。文字通りの頭デッカチな人間が増えて、何でもコンピュータで解決できるという風潮が高まる。現場に行かず正論だけで議論する感じ。地方程車依存率が高くて足腰が弱い現状に輪をかけて酷い事態が待つ。その後五感で体験したベースからの発想、というサイクルが忘れられ、最終的に頭も悪くなる。
退化がさらに進めば・・・絶滅?
5.人類絶滅への不安
・人工知能が人間を淘汰する
・地球上から人間が駆除されるかもという一抹の不安。
・人類は地球上に不要と判断される。
・総合的に人間がいらなくなる(新・自虐の詩 ロボット小雪などで描かれていることが現実になる)
・人間が絶滅する原因がロボットだったとロボット社会で恐竜絶滅のように語り継がれる。
・人という種の存在意義が無くなりそう。
・全ての面で人間の存在価値が問われる (コレは絶滅と言うより・・)
・人工知能が神様にならない事を神様にお祈りします
・人間社会が淘汰され、コンピュータ社会が主導権を握る社会が出来る。
・知的作業(調査、企画、開発、教育など)が人工知能によって占有され、人間にとって面白みのない人工知能による管理&情報閉鎖社会が到来する
人類滅亡かあ。。。超長期の地球の歴史を俯瞰して考えると、それが問題なのかどうかさえよくわかんないです。ただ、人工知能が主導権を握り、人間が脇役っていう社会はちょっと怖い気もしますよね。「こんな簡単な作業は、人工知能にやらせる必要もないから、人間にやってもらおう」みたいな。
絶滅への前ステップとして、生存本能や生殖意欲、種の保存への意欲がなくなるかもって話。
6.生存本能の喪失に対する不安
・人工知能と恋愛する人が増え、人間が人間を産まなくなる
・人口の減少。人間同士のコミュニケーションの総数が減ることで、子供を作るに至る人間同士のコミュニケーション量も減るので。
・色気がなくなる
・人間の本能が失われ人類が減少する
・人間の生存能力・危機対応能力の低下(電力喪失時など)
・人工知能が生存本能を持っているとは限らないので、生存することに価値を見出せずに(人類も含めて地球に由来する全知性体が)滅亡する
知性が退化するだけでなく、感性や倫理観も失われるのでは、と。
7.人間性の変化に対する不安
・AIに頼りすぎて人間の知力、感性が鈍くなる
・第六感のような人間の計算できない能力が退化する
・人間が堕落する。
・基本的な価値観、倫理観の崩壊
・倫理観に疎くなる
・ロボットを介すことで殺人に対して抵抗感がなくなる
・人工知能の効率的な判断が、「人間らしさ」を奪うような方向に世界を導いてしまう。
・人工知能が高度になりすぎて人間関係がおろそかになる恐れがある。
・何もしなくていいことで、何もできない人が増えていくこと
・働かなくてもよい人が増えることで、うつ病になる人が増えそう
・社会性すらも人工知能によって代替されてしまい、人間の生活すらも完全に孤立化、脱社会化してしまうのでは。引きこもり大勝利!になるのかも。
ところで、人工知能がいろいろやってくれるようになれば「人間は何もしなくてよくなる」という意見がある一方で、
「携帯電話やメールが普及して逆に繁雑な面倒くさい仕事(大量なメールのやり取りや時間・場所に関係なく電話応対をしなくてはならない等)が増えたように、データの管理やプログラム更新など余計な仕事が増えること」という意見もあり、
実際のところ、暇になるのか忙しくなるのか、よくわかんないです。
さらに、
8.人間と人工知能の関係や、組織の変質に対する不安
・対人関係だけでなく、対人工知能との関係でもうまくいかない人が出てきそう
・人工知能と向き合える人と向き合えない人とのAI親和性による社会格差の広がり
・人口知能という他者と上手く関われるかどうか、自信が無い。人間同士でも仲良くするのは難しいのに。
・人間がコンピュータにすごく嫉妬して世の中が混乱する
・ミスやエラーを容認しない社会になって感情的に疲弊する。
・なんでも人工知能におしつけて責任を回避する人があらわれる
・個人の影響力の拡大。問題人物の手の届く範囲が人工知能のサポートで拡張される。個人の影響力がより大きくなって、集団から受ける抑制が弱くなる。
・大多数の国民の持つ権力の弱体化。先進諸国の政体は、長期的には貴族政へ移行していくのでは。
・集団、組織としての能力が劣化する。
あと、自分で考えるコンピュータ(人工知能)が人格を持てば、「人間がやりたくないことを人工知能に押しつけるのは問題だ!」的な話になるかもしれないと・・・
9.人工的な人格に対する不安
・人格を持ち、人権を主張する
・自我が生じた場合、人間には理解も共感もできないおそれがあること
・人工知能ロボットが人権的なものを主張し、それに同調する人間も現れ、大した役割分担もできなくなること。
・人工知能を持ったロボットが自宅にあった場合、どの時点で廃棄するのか、あるいは感情の面からいって、廃棄することは可能なのか。
・コンピュータと人間の区別がつかなくなる
・オンライン上ではリアル人間とAIの区別がなくなってしまう。
・後にハイブリッド化していくかもと考える、世界のどこかで人体実験が行われるかも知れない事
・人間が人間で有ることに悲観的になる(人間からロボットへ転換したいと願う人が増えて純粋な人間が減少する)
この辺が一番おもしろいかったですね。特に、人格をもったロボットを捨てるって不可能では?という指摘は「たしかに」って思えました。今のペットと同じ問題が発生するのかな。
全く反対の視点から、反対論者によって技術の進展が阻害されることへの不安も複数。
10.反対論者に対する不安
・人工知能の有用性が理解できない人間が、無駄に不安になって高度な人工知能の研究や実用化を排除する可能性。
・高齢日本がアンチ人工知能にまわる
・人工知能に反対の勢力・国家が台頭してきてしまう
・失業問題からAI開発が停滞すること
・現世代が生きているうちに人工知能がさほど(このアンケートの候補ほどには)進歩しない可能性が不安。
こちらは正反対とも思える意見がありました。プログラミングだって人工知能がやるだろうけど、じゃあ人間にしかできない部分があるのか、ないのか、私にはよくわかんないです。
11.エンジニアの仕事
・プログラマーの99%が失業する
・ 「人工知能」という言葉だけが先行し、「人工知能」含むコンピュータに任せれば何でも”簡単に”出来ると思う人が激増する。その割に人工知能含むコンピュータやエンジニアの適正価格を知ってる人は全く増えない(なぜなら、”簡単に”出来ると思っているから)。エンジニアは不当な激務が増える?
以上、この質問では、その他(自由回答)を選んだ人が 10%もいました。それはつまり、私が適切に選択肢を列挙する能力に欠けてたからです。
確かにこうやって頂いた回答をまとめていると、少なくとも悪用や人間の能力の退化への不安、コンピュータが人格を持つ社会への不安などについては最初から選択肢に含めるべきだったとわかります。
そして、アンケートを作ったのが私ではなく人工知能であれば!、それらは最初からきちっと、選択肢に含められていたでしょう。
ツイッターでも言ったけど、こんなアンケート&その結果サマリーくらい、ちょちょっとやってのける人工知能は、十分に開発可能なはず。あたしは、あたしの能力を超える人工知能がでてくることを、完全に確信しています。
そんじゃーね!