NHK 職員の(準)公金横領の報道をみていて思ったことなんですけど。
私が泡を吹いたのは、その受信料収入の巨額さです。
不祥事で支払い拒否が増えてるとはいえ、それでも年間 6500億円の収入が見込まれてるんだって。
一世帯 2万円弱を 3500万世帯以上が払っている計算。
すごーい!!
日本の世帯数って 5000万世帯未満でしょ? (ホテルや病院などのテレビがどうカウントされてるのか不明ですが)すごい数だなあと改めて驚きしました。
WOWOWの加入者数は数百万世帯、スカパー!全体の加入者数も数百万世帯なのでだから、文字通りケタが違います。
もちろん個別の CSチャネルと比べても、こんなすごい数の世帯が有料視聴しているチャンネルは他にありません。個別番組との比較なら二つ“ケタ”が違うほど NHKの有料視聴者数は多いのです。
この意味するところは、もしも NHKが自由契約制度(民間)だったら
= 「受信料を払わないテレビにはスクランブルを掛けて見られなくする」という方式に移行したら、
お金を払ってスクランブルを除去してもらって有料視聴する世帯数は今の数分の 1になってしまうだろうってことなんです。
「強制的に徴収できる」というシステムがどれくらいおいしい制度か、よくわかりますよね。
でも、だからこそ番組にやたらとコストが掛けられるわけだし、ここまでのスキャンダルが起こっても、会社が潰れる可能性を考えてる職員もほとんどいない。
民間と公というのは根本的に違うんだなってのが、よくわかります。
★★★
固定電話 NTT の基本料金にも同じことを感じますよね。
昔は 7万円近かった加入料はもちろんですが、基本料金だけでも年間 2万円近くを加入全世帯が払っているわけです。個人の家だけでなく企業内の外線番号がある電話全部がね。
これらも、一本も電話かけないという状態でも払う金額(=基本料)としては、信じられないくらい高いと思います。独占体でなかったらあり得ない価格に思えます。
それにしても、NHK はちょっと危機感なさすぎな気もしますね。それはスキャンダルや不祥事の話ではなく、この視聴率構造がずっと続くと思っているように見えるという点において。
もしくは、今の制度が崩壊するのにまだ何十年もかかると思っているという点において、どうなのかなと思います。
電話だって、携帯電話がまともに普及し始めてからまだ 10年もたっていません。それでも NTTは既に固定基本料の値下げに追い込まれています。完全崩壊まで 15年から 20年てかんじではないでしょうか。
NHKの視聴はどこに流れるか? 地上波民放ではありません。ネットもあるでしょうが、CS専門番組も強力なライバルになるんじゃないかな。
CS専門番組っていうのはブティック番組です。NHKや地上波民放はなんでも扱っているデパートだけど、ブティックはニュースとかアニメ、スポーツ、ドラマなど、特定分野に特化しています。特化した方が内容は濃くなります。
NHKの不思議は、この“専門化”という方向で、自社の強みを最大限レバレッジする戦略をまったくとらないことです。
NHK は今、地上波、BS、ハイビジョンだけでも 5チャンネル持ってます。(デジタルは重複です)。ところが、なんでそんなにチャンネルが必要なの? って聞きたくなるくらい同じ番組を流しています。
コンテンツ作成能力の不足、企画戦略能力の不足もあるけど、そもそも全然わかってない、って感じです。
昔は地上波には“総合”と“教育”の二つしかなくて、この二つは明らかな違いがありました。それが 5つになった今でも、この二つ以外は、何が違うのか全然わかりません。
なーんで、5つもチャンネルを持っていて、24時間ニュースチャンネルがNHKに存在しないのか、本当に不思議。NHKのニュース専門チャンネルって競争力ありそうだと思いませんか?
5個のチャネルを持っているなら、ちきりんなら、下記のようにします。
- 総合テレビ(今と同じ)
- 教育テレビ(今と同じ)
- BS1:24時間ニュース専門チャネル。夜中はすべて海外、経済系ニュース
- BS2:ドキュメント、社会問題分析チャンネル、(過去のアーカイブを含む)
- ハイビジョン:映画、ドラマ専門チャネル
相撲は 1だけで流します。それで十分です。
911の直後に、BBC,CNNそしてNHKのチャンネルをガチャガチャ回しながら夜を明かしたちきりんは、マジで危機感があります。「これが、我が国の公共放送のレベルなの??」とあの時は本当にびっくりしましたから。
NHKの皆さん、もう一度 911直後の10時間の 3つのニュース映像を資料として全部見てみてください。さすがにちょっと悲しくなると思います・・
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