フィリピンの最大の外貨獲得産業が何かご存じでしょうか。
「海外に出稼ぎに行っている人からの送金」です。これが最大輸出産業。
などといえば”ジャパユキさん”を想像する人もいそうですが、実際にはお手伝いさんとか、建設現場作業員が多い。
中東とアジア、香港、シンガポールなどにはフィリピン人のお手伝いさんがたくさんいるし、中東などの石油発掘工事や化学プラント建設の現場にもいます。
準戦時下のイラクでも米軍基地のまかない一切をやっているのがフィリピン人メイドと男性作業員だったりします。
そういうところは平和な国より時給が高いから。
フィリピンは日本にも労働力を輸出すべくずっと受け入れ要求をしてますが、日本は頑なに拒んでいます。
ちなみに日本では、外国人はフィリピン人お手伝いさんの労働ビザのサポートができますが、日本人ではフィリピン人お手伝いさんを雇うのは難しいです。
このため外資系企業である私の会社も、外国人のエグゼクティブは安いフィリピン人メイドを雇えるのに、日本人エグゼクティブは時給の高い日本人お手伝いさんしか雇えません。
なんで日本政府って西洋人にまだこんなに弱いんだろう??
ちょっと話がずれました。私が言いたいのは、いいかげんに海外から人を入れないと日本は持たないよ、ってことです。
お手伝いさんを雇いたいエグゼクティブがそんなにいるとは思えませんが、問題は介護です。
今年生まれる赤ちゃんは 120万人なのに、今 40才くらいの人って 200万人いますからね。
普通に算数して、こんなの支えきれるわけがありません。
介護保険が赤字だからってやたらと在宅介護を推進しようとしていますが、まじ?って思います。
どうやったら在宅介護の推進がよい解決方法だなんて思えるのか、アタマの構造を疑います。
在宅介護を主流にするなんて無理でしょ。
それはお金の問題ではないのです。
病院や施設などの、箱ものの問題でもありません。
介護する人の数が足りないんです。
ロボットによる介護? まだあんまり現実的ではないですよね。
一部の人は海外に住んで、安く自分専用の介護人を雇って生活するようになっています。
でも年取ってから海外に住むのは大変でしょ。特に今まで全く海外に住んだことのない人にとって。
フィリピンのような近いところ(アジア)に、若年人口が大きくて国内には仕事のない国があるんです。
なんで政府が受け入れにここまで消極的なのか全くわかりません。
治安が悪くなるとか思っているのかしら??
そんなの放っておいても悪くなるし、治安の悪さの解決方法は別途考えればよい話です。
怖いから何もしない、で済む状況ではないのに。
なんとなく、「日本は単一民族」というような右翼的な思いこみっていうか、変な右思想が根底にあるような気もします。
笑えるけど。
その単一民族とやらの数はもう減っていくことが確実なんで、早めに海外から労働力を入れた方がいいと思います。
本当に立ちゆかなくなってから入れると、最初は問題が噴出します。
いろんなことを少しずつ解決して、海外の人が労働力としてスムーズに働けるような制度や私たちの受け入れ態勢を作っていくのに最低でも 10年はかかるでしょう。
だから早めに始めた方がいい。
香港ではお手伝いさんの月給は 8万円程度。だから月給 8万円以上を稼げる人であれば、自分が家にいて介護や育児を担当するより、働いた方が経済価値が大きくなります。
日本でも 15万円くらいで雇えるようになれば、15万払ってでも介護や育児を依頼したい家庭もあるでしょう。
女性だけの話ではありません。育児と違って介護に関しては、そのうち男性も「仕事か介護か」という選択を迫られる人が多くでてくるんだから。
こういうことが実現するには、強力なリーダーシップが求められます。
世の中のリーダーの方、よろしくお願いします。
あくまで他力本願のちきりんでした。