科学の復讐

意見や思想に関して少数派であることもつらいとは思う。

だけど、もっとつらいのは「ごく少数の人がかかる難病」になることかも。昨日のガイアの夜明けで化学物質過敏症の人の生活を追っていたのを見ての感想です。

新築の家(建材等)や家具に含まれるホルムアルデヒドやその他の化学物質で、アレルギーとしてのシックハウス症候群になって(これは治るらしい)、一部の人は化学物質過敏症(こっちは今のところ治らない)になる。

この病気になると、普通の家には住めなかったり学校や会社に行けなかったり、社会生活に大きな障害がでる。

それってつまり収入が途絶えるということだ。テレビの中では病院にさえ入ることのできない人がいて(病院にも化学物質が溢れている)、この人が他の治療が必要な大病をしたら、いったいどーすんの?って思った。

原因も、よく言われる「新築のマンションで」というの以外に、近くの田んぼの農薬とか工事現場から飛んできた化学物質とかもあり、必ずしも都会の人だけがリスクがあるわけでもないみたい。


ちきりんもひどい花粉症なんでアレルギー持ちなわけですが、花粉症みたいに「国民病」になると、あれこれ治療や予防方法が出てくる。

ところが、花粉症よりもっと大変なこの病気になかなか救いの手がさしのべられないのは、まだ患者が少ないからだ。

昔、リウマチの専門医の方に話を聞いたら、研究に全然予算が投入されないと嘆いていらした。

リウマチは患者の大半が女性、しかも高齢者なんです。だから病気になっても「社会への影響が少ないと見られているんです」と。

例えばガンは、働き盛りの男性の命を奪う。GDPへの影響が大きいから、どこの国でも国の予算が研究から治療から予防まですごい額つぎ込まれると。そういう理屈です。

まあ、若干ひがみ的とも思うけど(だって患者の立場からしても、ガンの方が避けたいよねリウマチより)、でも、確かにそういう側面もあると思う。

つまり、「少数の弱者を襲う病気については、治療法や予防の研究が進まない。」ということ。予算がつかないのだ。予算がつかなければその分野の研究者はでてこない。

★★★

一年前くらいだろうか、ヨーカドーが海外から輸入して販売した小さな電気ストーブが化学物質ビームみたいな代物で、これをずっと使っていた人(受験生が多かったみたい)が過敏症になったというニュースをみたことがある。3000円を切るような値段の小型の電気ストーブだ。

なんたってヨーカドーというどでかいグループ企業の話なんで、マスコミも続報をほとんど流さない。(ホントに大きい企業のスキャンダルは報道が少ない。武富士、日興コーディアル、セブングループしかり、だ。狙われるのはパロマ、リンナイ、不二家等々、ちょっと露骨です。)

あのストーブのニュース以来、ちきりんは、あんまし格安な電気製品買うのはやめようと思った。

ドライヤーとか調理器具とかも含めて、です。だって「発熱」するものはなんであれ「化学物質放射ビーム」みたいな側面を持っている。人件費の安い海外では、日本で既に禁じられた塗料が使われている可能性もある。あーこわ、です。


あとよく言われるのが、コンビニ食品の容器。

化学物質の固まりのような容器に食品が入っている。

これをレンジで加熱する。この「化学物質+熱」というは、上に書いたように「病気になるためのベストな組合わせ」だ。しかもその食品を口から体内に摂取するんだもの。・・・うーん、これも病気になるための方法のようだ。


テレビの中で医師の方が言っていた。「過敏症になる人は、他人より少ない量でアレルギーがでてくる。でも、過敏でない人(鈍感な人)は何も感じない。そういう人には、何も感じないけど、最終的にずうっと後の方でガンとか、別の病気として現れているわけです。」と。

これは「なるほどね」でした。


敏感だと今でてきてアレルギーになる。鈍感だと表面には現れないが体内には蓄積している。結果は別の形でずっと後にでてくるってことだ。誰も逃れられない。


私たちは科学の復讐を受けていると思うですよ。


じゃね。