相変わらず「本を出しませんか?」というメールをたくさんいただきます。
以前 『この人の本は売れる!』と思われたらこうなります というエントリで書いたように、出版社の編集者というのは爆弾攻撃のように書籍依頼のメールを送りつけてくる人たちなのですが、
今日来たメールにはかなりびっくりさせられたので、会社名、個人名を伏せてその中身を紹介しておきます。
ちきりんさま
突然のメール、失礼いたします。
○○(出版社名)の△△と申します。
ご検討をいただきたい件がありましてご相談のご連絡をさせていただきました。
『考え方を考えよう』(仮)
のようなタイトルで1冊、新刊をお書きいただけませんでしょうか。
考えよう考えようと頑張っても、考えるうちにアタマの中がこんがらがってきて(あるいは真っ白になって)、行き詰る方も少なくないと思います。
それにはいろいろ理由はあると思いますが、スキルとしての「考え方」を知らないということがひとつあるように思います。
考え方を計画しないままに考えはじめるから、道が見えてない茂みに分け入ろうとするから、気がつくと沼にはまっていたりするーー。
そんなこと、自分にもあるような気がしています。
やはり急がば回れで、まずは考え方を考えるのが実は近道ということは、結構多いと思います(むしろそれが当たり前だったりしますでしょうか? 少なくともそうやっていない人は多いと思います)。
逆から考える。
最初に目に入ったものから考える。
キャッチコピーから先に考える。
人と話しながら考える。
文章にして考える。
現場に行って考える。
これは私の妄想した勝手な例にすぎないのですが、ちきりんさんの「考え方」を教えていただけたら、それは私もとても知りたいですし、知りたい人はとても多くいると思っています。
ちきりんさんご自身の、あるいはお仕事でご一緒された方の具体例も引いていただけると、一層強く引き込まれそうです。
そんな方向性の本を是非、世の中の「悩める考え人」にお届けしたく、ぜひ、ご検討をお願いいたします!
上記はあくまでとっかかりとお考えいただいて、具体的にはご意見・ご意向を最大限に生かさせていただく形で、ご自由にお書きいただきたいと考えています。
***
以上、一方的なメールでのご相談となり大変恐縮ですが、ご一考をいただけましたら嬉しく思います。
もしご興味をお持ちいただけましたら、より詳しいご相談をさせていただく機会を頂戴できれば幸いです。
また、ご不明な点等ございましたらご遠慮なくお問い合わせくださいませ。
それでは、重ねてよろしくお願いいたします!
この人・・・、私が過去に出した本を読んだことがあるのでしょうか?
てか、メールを送る前に、私がどんな本を出してる著者か、5分でもググって調べたりしたのでしょうか?
それでこのメール??
私が、過去に何十冊も本を出してる多筆家ならすべて確認しろとはいいません。
でも私の本はそんなに多くもない上、下記は 13万 5千部売れたベストセラーかつ、出版から 7年たった今年も増刷が決まったロングセラーです。
そんな「この著者の代表作」とも言える本のことを、この編集者は知ってるんだろうか? ちょっとでも調べたりしたんだろうか?
→ Kindle 版
→ 楽天ブックス
読んだことがあってこんなメールを送ってくるのだとしたら、その理解力に驚き呆れるばかりだし、
読んでなくてあんなメールを送ってくるのだとしたら、その仕事のやり方の適当さに驚き呆れるばかりです。
ちなみにこの出版社からの出版依頼は(編集者は異なる人ですが)4人目で、うち 3名からのメールが同様に「呆れてびっくり!」させられる内容だったので、もしかしたら社風なのかもしれません。
私も本が大好きなので、世の中の本がこんな人たちによって作られているのだと思うと本当に哀しくなる。
こちらに書いたように、私はこのブログを「12才の時の私」のために書いています。
今日のエントリで私が「12才の時の私」にぜひ伝えたいこと、それは
「きちんとした仕事をする大人になろう」ってことです。
プロとして恥ずかしくない、丁寧な仕事をしましょう。
そうしないと市場からは相手にされない。
てか、世の中には適当に仕事してる人がたくさんいるので、きちんとした仕事をするだけでしっかり食べていける人になる。
そこんとこ、よーく覚えておいてほしい。
<過去エントリ>
文中でも紹介しましたが、こちらのエントリに載せた表をみたら、みんな衝撃を受けると思うよ。
↓
「『この人の本は売れる!』と思われたらこうなります」