先日も更新型エントリを書きましたが、こちらも同じく更新型です。
感染症が世界に拡がり、多くの人が不安を強めています。その不安に乗じてデマを流し、社会を混乱させようとする人がいます。
関東大震災が起きたときにも、「朝鮮人が日本人を襲っている」というデマが流れ、それを信じた日本人が、無関係な近所の朝鮮人に暴行を働くという事件があちこちで起こりました。
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ja.wikipedia.org
「社会が混乱したときには、どんなデマが流れるものなのか」、事前に理解しておくと、デマに負けない社会になるため(少しは)役立つんじゃないかと思ったので、
このエントリでは新型コロナに関して流れたデマのうち、多くの人が騙された(信じてしまった)ものを記録しておきます。
デマその1 トイレットペーパー騒ぎ 2020年2月末ごろ
「トイレットペーパーは中国で生産されており、中国が新型コロナで生産をストップしているため、日本でもトイレットペーパーが手に入らなくなる」というデマが、最初はツイッターで流れ、拡散されました。
これをテレビが取り上げた結果、多くの人が店舗にかけつけ、トイレットペーパーを買い占めたため、またたくまに商品が棚から消えました。
ほどなく同じ紙製品ということで、ボックスティッシュやキッチンペーパーも買い占められました。
受給がバランスしていないマスクとは異なり、トイレットペーパーは国産であり、供給量には問題はありません。
イオンや製紙メーカーが大量のトイレットペーパーを倉庫や店舗に積み上げた写真を拡散。在庫が十分にあることを示すなどし、デマの拡散は止まったものの、
薄利多売でかさ高な紙商品をタイムリーに小売店の店頭に運ぶことは物流キャパ的に難しく、一ヶ月たってもトイレットペーパーの買えないコンビニ、夕方には売り切れてしまっているスーパーやドラッグストアが相当数のこっています。
また、4月中旬になっても、ネットでは売り切れや高値販売が続いており、今のところ最も実生活に影響を与えたデマとなりました。
デマその2 4月1日 東京ロックダウン・メール 2020年3月末
3月の最終週、感染者が増え続ける東京に関して、「4月1日に東京がロックダウンされる」という趣旨のメールが拡がりました。
いわゆる「チェーン・メール」というタイプのもので、誰かが最初に自分の知り合いに「ちなみに○○らしいよ」といった思わせぶりなメールを送ると、それを信じた人が、次々に自分の知り合いに同じ趣旨のメールを送り始める、といった形で拡がるデマです。
タイミングよく東京都知事が3月31日の夕方に記者会見をすると言い出したものだから、「これは絶対にロックダウンの決定だ!」と信じて記者会見に駆けつけるメディア記者まで現れました。
また、東京のスーパーでは遅くまで食料を買い占める人の列が続き、カップラーメンやパスタが棚から消えました。
なにより危なかったのは、長蛇のレジ待ち列が 3密だったこと。今から思えば、あのパニック買いのレジ待ち列で、感染してしまった人もいるかもしれません。
菅官房長官や都知事が明確に否定し、4月1日になってから終息。
人的ネットワークの広い人のところには、複数方面から同じ情報が入ったため、余計に信憑性が高まってしまったようです。
デマその3 日赤医療センターの医師からのお願い、というデマ 4月10日頃
「日本赤十字社医療センターの医師」を名乗る人の言葉として、「ベッドはもう満床」「このままでは命の選別を行わざるを得ない」「頼むからみんな、家にいてほしい」といった内容の、数ページにわたるテキスト画像が拡散。
最後に「是非いいねして多くの人に拡散してください」といった文章があり、結果的に 3万人以上が「いいね」するなどして広く拡散してしまいました。
しかも途中で熊本県の副知事まで騙され、自身のLINEで拡散したため、「熊本の副知事からの情報です」とのお墨付きまで得てしまったとのこと。
日赤医療センターには問い合わせの電話などが殺到し、ただでさえ忙しい医療機関のリソースを奪うという、大きな実害がでました。医療関係がらみのデマは本当に害が大きい。
★★★
小さなデマは他にもたくさんありますが、ここでは「私のところまで数カ所から送られてくるほど拡散されたデマ」のみリストしています。
みなさんのところにも、上記の3つのデマは、届いていたでしょうか?
それを見たとき、「これはデマっぽいよね」と気づけたでしょうか?
私はこんな感じでした。
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1)トイレットペーパーの件 → なにかあると毎回、売り切れるので「デマだけど、これは店頭からはなくなるなー」と思いました。
2)東京ロックダウンの件 → 一瞬「ほんとかな?」と思いました。とはいえ不安を増幅するだけだと思ったので、誰にも拡散しませんでした。
3)日赤医療センター医師からのお願い → 明らかにデマっぽかったので、無視しました。
他にもデマというか詐欺というか、
「○○が新型コロナに効く」「○○を飲むとコロナウィルスが死滅する」といった類いの話がたくさん出回っています。
実際に「これが効く!」という商品を通販で売っていて、消費者庁から「不適切」と指摘された商品や会社もあるし、
高齢者を狙った詐欺でも、新型コロナと結びつけてお金をだまし取ろうとしたり、高額商品を売りつけたりするものがあるようです。
またイギリスでは、こんな飛んでもないデマが拡がったりしたようです。
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英国で第5世代(5G)移動通信システムが新型コロナウイルス流行に寄与しているとのうわさが広がっている。携帯電話用の電波塔で放火とみられる不審火が相次ぎ、英政府は4日、5Gと感染拡大の因果関係を否定し、通信インフラ破壊が救急・医療活動に支障を来すと警告した。
ゴーブ内閣府担当相は記者会見で、うわさについて「ばかげている」と一蹴し、医療・保健当局幹部のポウィス氏も「最悪のフェイクニュースだ」と強く非難した。
欧州メディアによると、うわさは「5Gが人々の免疫システムを抑え込む」「5Gの電波を通してウイルスが拡散している」などの内容だという。
以上、このエントリも、できるかぎりデマに騙される人が増えないよう、随時、更新していこうと思います。
もちろんあたしも気をつけなくちゃ!