新型コロナについてはツイッターでよくつぶやいているのですが、今日は「多くの人の、意見が分れがちな論点」について、私の考えをまとめておきたいと思います
1.外出自粛は正しかったのか?
間違いなく「正しかった」と思います。
欧米では日本より遙かに厳しい外出制限が行われたのに、なかなか死者も感染者数も減りませんでした。
なので「経済や社会生活に大きな被害を出してまで外出制限すべきなの?」と感じたこともありました。
でも今ははっきり断言できます。
ワクチンも免疫も治療薬もない感染症に関して、これ以上に有効な策はないと。
東京や大阪はじめ、全国の感染者数は、街や観光地に遊びにでる人が減っていらい、急速に減少しました。
政府や専門家のいう「 2週間」よりは少し潜伏期間(リードタイム)が長いようには思いますが、効果があったことは明白です。
なので、今後また新型コロナであれ、それ以外の感染症であれ「オーバーシュートの危機」がやってきたときには、間違いなく今回と同じ方策がとられると思いますし、私も「そうするべき」と思います。
2.外出自粛はまだ続けるべきなのか
「気を緩めると第二波が来るから、できるだけ長く外出自粛やイベント自粛を続けるべき」という考えには反対です。
1で書いたように、外出自粛には大きな効果がありました。しかし、それは(命よりは軽いかもしれないけれど)多大な社会的、経済的な損失を伴うものでした。
今のような自粛要請は「やむを得ない場合を除き、やるべきではない」し「必要性がなくなったらさっさと解除すべき」です。
今回の外出自粛は2ヶ月に及ぼうとしています。これは、「新型」で「未知」のウィルスの特性を見極めるため、そして、医療体制を整えるために国民が多大な犠牲を払って差し出した貴重な時間です。
政府や専門家のみなさんはこの時間を使い、「第二波が来ても医療崩壊がおこらないよう」きちんと対策を進めてこられてますよね?
まさか「なんの用意もできてないので、準備ができるまでずっと自粛しててください」なんて言ったりはしませんよね?
3.甲子園の中止やビーチの閉鎖は正しいのか?
大規模イベントの中でも特に「屋外」で行われるイベントに関しては、感染のリスクが少ないから中止しなくていいという意見がありますが、私はそれには反対です。
甲子園にしろプロ野球にしろ、もしくはサッカーの試合にしろ、よく行く人はみなわかっているはず。
観客席はぎゅうぎゅうずめで、後ろの席の人が「かっとばせー!」などと大声で叫ぶたびに、前の席の人に飛沫が降り注ぎます。スタジアムでは席の前後に段差があるため、頭上から唾が飛んでくる、って感じです。
試合が終わればスタジアム周辺の居酒屋はどこも満席になり、試合の興奮とお酒の影響もあり、敵味方入り交じって集団で気勢を上げ、盛り上がりまくる飲み会が、いたるところで見られます。
中には 2次会 3次会として、お姉ちゃんのいるお店に繰り出す人もたくさんいます。
野球やサッカーを見た後すぐに帰宅するのは「4歳の息子が寝てしまった」家族連れくらいでしょうが、彼らが乗る電車もまたものすごい混雑で、しかも電車の中で六甲おろしだの校歌だの、大声で歌っている集団がいます。
野球自体、サッカー自体が危なくなくても、「試合のあと」の行動は完全に「感染にもっとも適した環境」です。
サッカーを見ながら飲むスポーツ観戦バーなども同じ状態でしょう。
海に遊びにいった人も同じです。砂浜や海の中で感染のリスクが高いとは思いません。
しかし、多くのグループは「海で遊んだあと」近くのファミレスやレストランでわいわいガヤガヤと食事を楽しみます。
「一日中、海で遊び、夕方になったらさっさと片付けて自宅に直帰し、家で食事する」みたいな人は少数派でしょう。
このように屋外イベントの危険性は、屋外での活動だけでなく「その前後」を含めた危険性で判断されています。
このため「数万人の観客を入れてのスポーツイベントの再開」は、かなり先になる可能性があります。もしかすると今シーズンは不可能かもしれません。
ただ、無観客試合なら話は別です。
選手はロッカー室を順番に使用するとか、ハイタッチや「抱き合っての祝福」などは行わないと決めれば、再開は可能でしょう。
こちらも「どうすれば再開できるのか」という方策を考えるべきタイミングです。
そしてその際、スポーツイベント単独で「三密かどうか」を考えるのではなく、「その前後に予想される行動も含め」どう三密状態を避けるのか、と考えていく必要があると思います。
4.高齢者だけ自粛を続け、健康な若者の自粛は不要という意見について
この意見には反対です。
これ、「高齢者」と言ってはいますが、実質的には「弱者は出歩くな!」という意見だからです。
新型コロナに関する弱者とは、次のような人たちです。
・高齢者
・糖尿病や高血圧、腎臓病など持病のある人(中高年にもたくさんいます)
・障害者、障害児 (気管切開をしていたり胃瘻で栄養補給をしている子供もいます)
・妊婦 (感染時に薬が使えないなどの制限があります)
・ガンなど他の命に関わる病気の治療をしている人(小林麻央さんや池江璃花子さんの例を見るまでもなく、ガン患者の中には若い人もたくさんいます)
・臓器移植をしたり、HIVの薬を飲んでいたり、継続的に医療を受けながら働いている人
「家にこもって過ごすべきは、上記の人たちだけでいい。俺たちは自由に生活させろ!」という意見に、私には賛成できません。
経済発展とは、弱者でも生きていける社会を作るために必要とされているのだ、と考えているからです。
私たちはいつ誰でも突然「弱者」になりえます。
妊娠中にトラブルに遭ったり、働き盛りで突然ガンの宣告を受けたり、子供が治療の必要な病気になったり、
そういう時に
「そういうハイリスクな人だけ自粛生活を続け、社会にでてこないでください」
と言われて、本当に「そのとおりだな。そうしよう」と思えるでしょうか?
自分のいる社会を、そういう社会にしたいですかね?
自分のアタマでよく考えましょう。
5.そのうち追記
とりあえず以上ですが、これも更新型エントリなので、新たに「付け加えたい」と思うことがでてきたら随時更新する予定です。
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