カンヌで主役の少年が主演男優賞を受賞した「誰も知らない」
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- 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
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この映画、実際にあった事件を題材としています。1980年代前半かな、巣鴨での事件。愛人宅に行ったまま帰らない母に、残された4人の兄弟。ちなみに本当は5人いたけど、ひとりは死亡したまま母親は押入にその死体を隠していた。
14歳を筆頭に2歳までの4人兄弟はそれぞれ父親が別々で、誰も出生届が出されていませんでした。学校にも行っていない。母親は時々数万円の仕送りをしていたけど、最後の方は電気も水道も止められたアパートに4名は暮らしていた。そのうち2歳の女の子がせっかんで死亡します。母のまねをしてその死体を押入に隠す長男。
あまりの話にぞっとします。
ただ、この巣鴨の置き去り母に欠けていたのは、母性ではなく社会性のようです。
この母親は、「14歳の長男がしっかりしているから大丈夫」と本気で思っていたと言うのです。子どもを愛していたし、大事に思っていたけど、「大丈夫だ」と思っていた、と。笑えます・・・
★★★
ちきりんが大学時代、たまたまコップを洗っていて手が滑ってコップが割れた。手が切れて血がでてました。その時丁度、父親から電話があった。
「ちょっと手を切ったばかりだから、後でかけ直す」と言った私に父が電話越しに言った言葉。「もうコップなんか洗うな。洗い物なんかしなくていいぞ。食器は使い捨てでいい。それくらいの金は送ってやる。」むちゃくちゃやな、と思うと同時に、ここまでの愛情とは、どうやって成り立つのかと考え込んでしまいました。
父は既に他界しています。子どもが親に返せるものは本当に限られている。無償の愛情って、親から子どもしか成り立ってないと思う。
ちきりんが父と母を愛しているのは、父と母から生まれたからでなく、二人が限りない愛情を注いで育ててくれたからです。そういう人たちと血を共有しているという事実は、本当にありがたく嬉しいことですが、それが愛情を感じる理由ではありません。