旅日記ソビエト3

コスモスホテルは、空港と違い非常ににぎわっているホテルでした。ドアを入ったら、そこは別世界!広いロビーに人がいっぱい。電灯もとても明るい!

しかも・・・ちきんの予約が入ってる!!(正確には、ちきりんのね)すごい高層ホテルなんで、ちきりんのお部屋もすごく上の方。まあ、華美ではないがこぎれい。これぞ共産主義の部屋!ってか、普通の部屋です。

窓から見ると・・・一面雪景色。これはまあ、見なかったことにする。


とりあえずシャワーを浴びる。服を脱ぐ前に、シャワーからお湯がでるかどうかを確認。これは先進国以外に旅行する人の常識です。先進国にしか旅行したことない人って、素っ裸になってからシャワーを出して「お湯が出ない!」とかあわてる。

お湯なんて出なくて当たり前!

というところから出発するのよ、こーゆー国は。んで・・・まあ出る。湯量は少ないけど。で、シャワー。気持ちよい〜。


シャワー浴びると・・・おなか減った・・・旅程表を見てみるとホテルのレストランで食べろ、と書いてある。行ってみる。受付のお兄ちゃん。この人も巨大。巨人の国だな、ここ、って感じだ。

そのお兄ちゃんに言ってみる。「夕食予約ある。名前はちきん」(←実際にはロシア語で言っている。たどたどしさを日本語訳にて表現してみました。ちきりん、って言うとわからないので、“ちきん”って言ってみた。名前の発音にこだわっている場合ではない。)

無事、なんか変なもんたべて夕食も終了。疲れていたのでぐっすり寝ただすよ。

★★★

翌日は朝の9時にロビーに集合。そう、現地ツアーに出発なのだ!今日もコスモスホテルは賑わっている。それらしい人の集団がいたので行ってみる。名簿を確認している人がいたので、言ってみた。「こんちゃ!モスクワ一日ツアー予約ある。名前はちきん」

通じるんだよね〜うれしい。。。半年がんばった甲斐があるだよ。ガイドさんはお姉さん。若い。怖くないロシア人見るの初めてだ!

ツアーはおもしろかった。モスクワすごくきれいだし。さすが革命が起こるくらいの圧政がひかれていたとわかるクレムリン宮殿。すばらしい宮殿です。こんなもん(民に)作らせてるから革命が起こるだよ。赤の広場広〜い!そこにある寺院?かわい〜い。あっ!これが噂の壁新聞だあ!とか。

ツアー参加者は8名くらい。他の人は東欧とかから来ているみたい。あと、ソビエトの地方の人。当然、日本人はひとり。ガイドの女性の人はとてもにこやか。でも、バスの中で「今のソビエト共産党の書記長は?」って聞かれた時はちょっとびびった。「これは思想テスト??」って思って。でも違った。ちきりんがロシア語を話すのを聞いて、「ロシア通?」とか思われたみたい。

まあとにかく和やかにツアー進行。こういう時、女性一人ってのは有利よね。ほぼすべての方がやさしくしてくださいます。ありがたいです。まずいお菓子を皆からもらったりね・・・


しかし・・・ちきりんはこのツアー中、密かにあることを真剣に考え、そして企んでいたの。それは・・・その日の朝、ツアーの集合の時。15分くらい出発が遅れた。なんでか?ガイドさんの持っている名簿には10名の名前が書いてあった。彼女はその名前を呼んで確認していた。ところが、2名は15分くらいたっても現れない。んで、彼女は「じゃ、行きましょ!」と言って出発した。

彼女は・・・こなかった二人を捜すため、ホテルの部屋に電話したり、本部に電話して確認したりというようなことは何もしなかった。単に15分ほど待っただけ。で、現れないから、そのまま出発した。

ってことはだよ、明日の朝、ちきりんがツアー集合場所に現れなかったら・・・ツアーはそのまま出発するってことでしょ。って、ことは・・・・


「自由行動できるじゃん!!!」


そう。日本出発前にソビエトツーリズムは言った。「勝手にあちこち行くことはできないです。ツアーに参加するか、ガイドをつけてください。」って。でも、その目的は、単に「ガイド代をちゃんと払え」ということであって、必ずしも「行動監視」ではないってことかも、と気がついた。行動監視ならツアーに現れない人を放っておくことはできないでしょう??

(注:旅行中、全部ツアーに参加し、ツアー代を一括して払え!という方式は、当時の共産主義の国ではわりと一般的でした。北朝鮮のように「行動監視」が目的の国もあるけど、大半が「外貨獲得」目的です。

ツアー代として国営旅行社が受け取ると外貨は国(もしくは役人のポケット)に入るけど、自由旅行をさせると、お金がその辺のレストランとかに行ってしまいます。だから、最初に「全行程の予約をしろ」といって馬鹿高い料金を請求します。反対にいうと、お金さえ払ってくれたら参加しなくてもいい、という国も多い、というシステムなんだな、と、このソビエトを皮切りに、ちきりんは気がついていきます。)

★★★

いろいろ考えた。今日こなかった二人はソビエト人なのではないか?だから探さなかっただけでは?ちきりんがこないと探すかも?

でも、探すなら探してみろよ、ほととぎす、じゃなくて、ええっと。探すなら探してもらえばいいじゃん。ちきりんは集合時刻に部屋にいればいい。んで、もしも部屋に電話がかかってきたら「ごめんごめん、今行きます!」って言えばいいじゃん。

よしっ!!!!とかなんとか、考えていたわけですよ。ツアーの間ね。

そしてその翌日・・・朝9時。ちきりんはいつでも出られる準備をして、でも、部屋から出なかった。電話かかってくるかな?って思いながら待っていた。

9時半・・・かかってこない!!

期待に胸ふくらませロビーに降りてみる。

いない!!!ガイドいない!!!


ちきりん、モスクワ自由旅行の始まり始まり〜!!!


また明日〜!!


続きはこちら → ソビエト旅行記その4