1955年の保守合同。この年、自由党と日本民主党が一緒になって自由民主党ができました。そしてこの体制がその後現在まで日本の政治を担ってきました。
この時の“保守大合同”の「保守」という言葉は、「革新」という言葉の対立用語ですが、当時の「革新」政党というのは、基本的には、共産主義を目指す政党のことです。共産党よりは社会党だったんだと思うけど、いずれにせよ、左な方々です。
まだ戦後10年、日本が共産主義になってしまうかもしれない、ということが現実味を持って社会の選択肢として残っていた時代です。そういう時代に、「資本主義で行こう!」という大筋に則って(小さな方法論では違う意見があったけど)、「共産主義よりは資本主義」という主張の政党が大合併した。これが55年の保守合同の本質ですよね。
だから、当時の保守という言葉はもともとは「伝統的な資本主義を選択した人たち」という意味であった。ソビエトや中国ではなく、アメリカ型の政治経済体制を選ぶ人達、という意味でもありました。
そういう意味では、今回の小泉さんの「自民党をぶっこわす」路線は、今までの自民党のやり方の否定というより、「自民党の根本思想を、より明確化する工程である」とも言えるでしょう。
「自民党は、資本主義を堅持したい」という55年の主張と、現在の「郵便なんて民がやればいいでしょう」という主張は全く矛盾しません。枝葉末節はいろいろある。でも、根本はそういうことかな、と思う。
★★★
小泉氏の首相在任期間は、今、歴代第4位です。
1位:佐藤栄作首相 2798日
2位:吉田茂首相 2616日
3位:中曽根康弘首相 1806日(来年の春には、小泉氏が抜きます)
4位:小泉純一郎首相 1577日(今日時点)
5位:池田隼人首相 1575日
6位:岸信介首相 1241日
今回の選挙で勝てば、小泉氏は佐藤首相、吉田首相に次ぐ歴代3番目に長く権力の座にいた自民党の総理大臣となります。(数字から見て、1位2位になるのは無理でしょう)。
これを見ても、やっぱ同じ思いがします。結局のところ自民党という政党は、
米国との同盟路線、
資本主義的経済原則、
天皇陛下の元の国民一体感の堅持、
という3本柱でやってきた政党ですよね。なんだかんだ言ってもこの路線は変わっていない。
それはどういうことかというと、とどのつまり、日本国民がこの3つの原則を支持してきた、選んできた、ということでもあるのでしょう。
米国べったりとか、競争主義は血も涙もないとか、地方切り捨てとか、いつでも「極端に走りすぎること」へのブレーキは存在します。でも、根本は変わらない。
日本国民は、この3原則を支持しており、だからこそ、その路線を強力に推し進めた人たちが長く政権の座にいるのだ、ということ。中には「党内政治バランス」だけによって首相になった人も沢山いる。でも彼らの在任期間はとても短い。国民の支持があることを言っている人だけが、結局のところ長く権力を維持できている。
そう考えると、結構うちの政治もちゃんとしてんじゃないの?って言う気もしますよ。
危ないな。そんなこと言い出すとやばいよ、ちきりん。
そうね、やばいね。
ではまた明日