臓器売買

病気腎の移植の話がホラーだ。

この臓器提供の話は、本当はもっと怖い話がいろいろあるよね。今は多くの人が中国やインドに買いに行くみたい。大金持ちは「合法的な臓器がある」欧米にいくが、庶民の場合は何千万もかけて臓器を買いにいけない。だから中国やインドの市場に向かう。

そういう場合、日本人が払うお金は一千万単位。でも、臓器の提供者がもらうお金は数十万円だったりする。インドではカーストが低いために就職できない人、中国では犯罪者で死刑になった人の体から、あちこちの臓器が切り取られて転売されていく。

切り取っても、その場で死ぬわけではない臓器を売って生活の糧にするのは、提供者にとって「生きるためのひとつの手段」なのだろうか。難しいところではある。


このマーケットは、アングラではずうっと存在している。貧しい国で(もしくは豊かな国でも)お金のために自らの意思で臓器を売る人もいるが、もっとひどいケースが常に存在してる。

たとえば子供や若者が誘拐される。ストリートチルドレンが「いつのまにか」消える。臓器を取り出すために、彼らは闇で殺される。目から内臓まで、あらゆる臓器が取り出され売りさばかれる。彼らは、いきなり誘拐されているか、もしくは「ラーメン食わしてやる」くらいの話で、闇の売人についていった浮浪児たちだ。

インドネシアで津波が起こった後も、親を亡くした子供達が浮浪児となって町に溢れた。そしてその後、この子達に目を付けた「売人」達がインドネシアに大挙して押し寄せ、問題になっていた。同じコトは難民キャンプでも起こっているし、ホームレスが真夜中にさらわれるケースもある。(なお、若い女の子の場合は臓器を得るより多額のお金が得られる用途に回される。)

そんなことしても血液型やタイプが合わないと移植できないのでは?って?
いいんです、できるだけ沢山集めればいいの。もう闇マーケットがあるんだもん。手に入ったものを調べて「登録患者」の中から適合者を見つければいい。そういう順序なんです。街で「誰か」を探しているのは仕入れ担当者にすぎない。できるだけ沢山仕入れて、持って行きたい。そういうこと。

生きている人から腎臓を取り出すのは、また別の「業者」がいるんだよね。専門業者がいます。医師免許持ってたり、持ってなかったり。臓器だけうまくとりだせればいいんであって、もともとの人は死んじゃって問題ないのだから。

この専門業者、通称“バラシ屋”のスキルによって、仕入れてきた「ボディ」の買い取り価格が違う。内臓しか取り出すスキルがない専門業者だと、内臓の販売価格でしか買ってくれない。角膜も心臓もきちんと取り出せます、というバラシ屋ならより高く買い取ってくれる。そういう業者が集まっている国(地域)が、世界に10カ所くらいある。

★★★

もうひとつ別の問題もある。

国会議員で、親子での移植をしたケースがあったでしょ。ああいうのも、大変だな、って思います。

親から子なら、なんとしてでも自分の臓器で助けたい、と思うだろう。このケースはとてもシンプル。んで、親の面倒を子が一生見ていく、愛情の物語だ。しかし、親がもう高齢で親の方が病気になったとする。で、子供は働き盛り。子供に「お前の腎臓をくれ」と言える親はいないだろう。あげるよ、と言われても素直に「さんきゅー!」とは言えないだろう。河野さんのお父様も悩まれたと思う。

兄弟でも複雑だ。兄弟で経済状態が異なったり、家庭事情が異なる兄弟って沢山存在すると思う。長い間、音信不通だった兄弟からいきなり電話がかかってきて「腎臓を提供してくれないか?」と言われたらどうするか?自分が依頼する方なら、そんな電話ができるか?

腎臓をもらう方が大金持ちで、提供する方が、事業に失敗してサラ金に追い立てられる生活をしていたとする。「腎臓を提供するのは問題ないが、借金返済を手伝ってくれないか」と言いたくならないか?「ありがとう。腎臓を提供してくれて。これからの生活費は心配しないで。借金も僕が返しておくから」って、言わないか?それは、腎臓売買とは異なる「正当な」行為なのか?「兄弟愛の物語り」なのか?



すごいつらい決断をせまる治療法だと思う。


んじゃ。