ブラジル旅行記のところで書いたけど、日本人が移民するまでブラジルでは、“収穫を増やす=作付け面積を増やす”でした。
そこへ移住してきた日本人が、“同じ作付け面積で収穫を増やす方法” を持ち込んだのです。
これは非常におもしろい話です。
というのもコレ、「ブラジル農業に“生産性”という概念を持ち込んだのは日本人移民である」ってことなんだよね。
「耕作面積を 10倍にして収穫を 10倍にする」、というのがそれまでのブラジルのやり方でした。
そうではなく、いままでと同じ畑で 10倍の量が収穫できる工夫をしようというのが日系人の持ち込んだ方法です。
収穫は同じ「10倍」でも土地はブラジル方式の 10分の1で済むし、移動時間や必要な水の量など、それ以外のコストだって小さい面積を耕作する方が圧倒的に低いはず。
つまり日系人のもちこんだ方法は、圧倒的に効率的=“生産性が高い”わけです。
が、じゃあ、なんでブラジル農業には“生産性”という概念がなかったか?
これは日本人の教育水準とか能力とかとは全く関係なくて、単に「日本は狭いから」ってことなわけ。
ここで確認しておきましょう。
生産性とは、「アウトプット÷インプット」の比率です。
インプットされるのは、労働力とか土地面積とかお金とかいろいろですが、農業における最も重要なインプットの一つである土地が、日本は非常に狭いんです。
特に小作農の場合は、勝手にそのインプットを増やすことはできません。だから、同じインプットからアウトプットを増やそうとする。
一方のブラジルでは土地の量は無限に近い。
だから、アウトプットを増やしたければインプットを増やせばいいという発想になります。
生産性なんて気にする必要はありません。
収穫を倍にしたければ、となりの空き地も畑にすればいいだけ。
だから誰も「この限られた土地から、いかに収穫量を増やすか」なんていう工夫をしようとはしなかったのです。
★★★
でね。
人間にとって「最も限られたリソース」は「時間」です。
誰にとっても 24時間は 24時間。しかも誰でも必ず死ぬし、その時期のコントロールもできません。
時間に関しては“格差”という概念さえ存在しません。
もっとも重要なインプットリソースである“時間”は、完全に平等な条件で与えられているのです。
このように同じ時間しかもっていない人間なのに、アウトプットの量は人によって全然違います。
同じ年齢なのに、行き着けてる場所が相当違う。
「なんで、この人は自分と同じ年齢なのに、こんなことができてるの?」みたいな人がいるでしょ。
その理由は“生産性が違うから”以外にはありえません。
私たちが一生の間に何ができるか、は、“時間の生産性”にかかってるんです。
じゃあ、この“時間あたりアウトプット”を最大化するにはどーすればいいか?
この答えを、私はブラジルの移民博物館に見たわけです。
そこでの「田畑の限られた国からやってきた日本人が、狭い土地からでもいかに収穫量を増やすか、必死で模索した」といった展示説明を見て、「なるほど!」と思ったんです。
そして、生産性をあげたいなら、インプットを制限すればよい、と気がついたわけです。
リソースを潤沢に持っていると、生産性に着眼できないのよ。
もしくは、生産性をあげたいという切実な気持ちにならないんです。
たとえば、「仕事の生産性をあげたいなら」、つまり「仕事が速い奴」と言われたいなら、「仕事ができるやつ」と言われたいなら、「仕事を早く終わらせられるようになりたいなら」、
働く時間を短くすればよいのです!!
たしかに 3時間しか寝る時間が確保できないと眠りは深くなります。
不眠だの寝付きが悪いの悩んでいる人は、寝る時間を短くすればいいと思う。
そしたら寝付きなんてすぐに改善する。
仕事もね、絶対い 5時には帰ると決めたら早くできるようになる。
「時間がたっぷりある」とまでは思わなくても、
「できるまでやるんだ」とか「徹夜してでも仕上げる!」とか、「とにかく頑張る!!」と思っているうちは、あなたは「できる人」にはなり得ないってわけ。
超論理的?
で、私も働く時間を 3割にしてみました。
そしたら、アウトプットは 7割くらいになった。
つまり、これまでは「インプット 10割でアウトプット 10割=生産性は1」だったのが、
「インプット 3でアウトプット 7=生産性は 2.3」になったってこと。
生産性が 2.3倍!
めっちゃ自由時間が増えた! 完璧なライフスタイルになった!
ずるいって?
ずるくないよ。
ほんとに仕事早くなったもん。
やればできんじゃん、って感じです。
一番大きく変わったのは、「やらなくていいことをやらなくなった」こと。
あと、優先順位も厳しくつけるようになり、もちろん、仕事のやり方も工夫するようになった。
そういうの、ずっと前からやりたいと思ってました。
やらねば!と思っていたんです。
でも、できてませんでした。
それが、「インプットを制限して」はじめてできるようになった。
で、ブラジル農業の話を思い出した。
そう。頭で考えても無理なんです。
とにかく「インプットを減らす」ってのを実現しないとできるようにならない。
それが、実際にやってみて初めてわかった。
「仕事が終わらない」「仕事が多すぎる」「私は仕事が遅い」などとお悩みのあなた。
あなたも「働く時間を減らさない限り、仕事ができるよーにはならない。」と、思います。
多くの場合、人間はまじめなんで、仕事が終わらないと「働く時間を延ばす」という暴挙にでます。
でもね、そんなことしたら・・・生産性が下がるやん!
式をよく見てよ。
「生産性」=「アウトプット」÷「インプット」なのよ。
インプットなんか増やしたら=働く時間を増やしたら、どんどん仕事の効率が落ちるってことです。
わかった?

