2013-01-01から1年間の記事一覧

暗記なんかで勝てたりしません

今日は、将棋ソフトがどのように“将棋を学んできたのか”について、まとめておきます。今から40年ほど前の 1975年頃、人工知能研究の一環として将棋ソフトの開発は始まったそうです。その進化の流れは、ざっくり言えばこんな感じ? 1.ルールを覚えさせる 2…

お互いがお手本? 人間とコンピュータの思考について

第二回の将棋電王戦、全局終了後の記者会見で、谷川浩司(日本将棋連盟)会長が、「形勢が悪くなっても最善手を指し続けていくコンピュータに、精神力の重要性を教えられました」と話されました。将棋連盟のトップが、「人間が、コンピュータに、精神力の重…

新刊)未来の働き方を考えよう!

電王将棋シリーズの途中ですが、コマーシャルの時間です。一年ぶりに新刊がでます。考えようシリーズの第四弾で、来月中旬の発売予定です。 → ★アマゾンのサイト★ → ★楽天ブックスへのリンク★ 過去の3冊はこちらですね。 『ゆるく考えよう』は、生き方のポ…

人間ドラマを惹き出したプログラム

人間対ソフトが対局する将棋の電王戦では、昨年の第一回大会で、ボンクラーズが故米長邦雄氏に勝利しました。当時の米長氏はすでに引退後の将棋連盟会長だったので、「現役プロ棋士」ではありません。そして今年は 5対 5 の現役プロ棋士との団体戦という形で…

お互い、大衝撃!

以前に紹介したような流れで、第二回将棋電王戦の第二局でプロ棋士に初めて勝利した将棋ソフト、Ponanzaの開発者である山本一成さんと会うことになりました。将棋についてもプログラム開発についてもど素人の私は、10時間ほどにわか勉強をしたうえで“聞きた…

盤上の勝負 盤外の勝負

故米長邦雄氏の『われ敗れたり』 を読んで最も勉強になったのは、将棋の勝負は、盤上の技能だけで決まるわけじゃないとわかったことです。われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る作者: 米長邦雄出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/02/01メディ…

『われ敗れたり』 米長邦雄

前日本将棋連盟会長、米長邦雄永世棋聖の『われ敗れたり』を読みました。この本、めちゃくちゃおもしろいです。「おもしろい」というのは、「勉強になった」とか「米長さんってやっぱりスゴイ!」ではなく(いや、それもあるけど)、文字通り、吹き出すほど…

結婚はオワコン!?

下記は先進国における、「全出生数に占める、婚外子の出生数比率」、すなわち「正式には結婚していない母親から生まれた子供の比率」です。その比率が、1980年から2008年までの約 30年でどれほど変化したか、よーくご覧ください。<婚外子の比率の変化>スウ…

これ以上、女性の人生を計画的にしてどーすんだか

少子化対策として「女性手帳」を作って、若い女性に持たせようという話がでています。政府は7日、少子化対策を議論する作業部会「少子化危機突破タスクフォース」(座長・佐藤博樹東大大学院教授)の会合を開き、晩婚化や晩産化が進む中、若い世代の女性向…

職業を創るという偉業

兵庫県の灘にある兵庫県立美術館で開催中の「レジェンド・オブ・メカデザイン 超大河原邦男展」に行ってきました。かなーり、感動したよ。 大河原邦男さんは、1970年代から今に至るまで日本のテレビアニメの主要カテゴリーである「ロボットアニメ」で活躍さ…

マンションの地震保険とか意味不明

この前、分譲マンション住まいなのに地震保険に加入してる人がいて、ちょっと驚きました。マンションの地震保険って、 ・管理組合で入る共用部分向けの地震保険と、 ・個別の家庭が入る専有部分のための地震保険があるんですが、 どっちにしろ「なんでそんな…

「ちきりんぱーそなる」からのセレクション

先日は「Chikirinの日記」に関して、「読者が選ぶベストエントリまとめ」をお送りしましたが、私はもうひとつ、「ちきりんぱーそなる」というブログも書いています。こちらには食べたモノや日常の雑感、おすすめグッズの紹介など、軽めのエントリを書いてる…

読者が選ぶ 「ちきりん過去ブログ」 ベストエントリまとめ

先週末、「一年以上前のエントリの中から、「俺は・私はこれが好き!」というのを教えてください」とつぶやいたら、たくさん回答(推薦)をいただいたので、まとめておきます。おヒマつぶしにどうぞ! 1.未完の「能力リスト」 「頭がいい」とか「あの人は…

「Chikirinの日記」 月間 200万PV 時代へ!

2013年4月、「Chikirinの日記」は、単独で初の月間アクセス 200万PVを達成しました。ちきりんブログをここまで育ててくださった読者の皆様に心より感謝します。正確には 205万1308PVですね。 (Google Analytics画面。この数字には「ちきりんぱーそなる」(約…

悔しい気持ちが大好きです

梅原大吾さんの本を読んだとき、思わず固まってしまうくらい衝撃を受けた箇所があるので、少し長いのですが引用しましょう。なお冒頭の“当時”とは、彼が中学・高校の頃のことです。 当時は、職業としてプロがあるわけでもなかったし、僕がどれだけ大会で優勝…

つながる世界のその先へ

一か月前にプロ格闘ゲーマーの梅原大吾さんと対談し、関連エントリを書き始めました。 意外な組み合わせだったとは思いますが、概ね好意的に受け止められたみたい。 window.twttr = (function(d, s, id) { var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0], t = …

ゲームと教育と研究とイノベーション

まずはこれ → EVOとニューヨーク大学が格闘ゲーム奨学金制度を創設 EVO は Evolution Championship Series っていうファイティングゲームの大会で、もとは1996年から、正式には2002年からラスベガスで行われてて、よくわかんないけど、すごい大会です…

 「人生の時間配分」 = 「どう生きるか」

先日“「ゲームは一日15分」の時代背景”というエントリを書いたら、「我が家はこんなルールでした」というツイートをたくさんいただきました。(Thanks!) 子どもの教育や育て方に関しては各家庭に様々なルールがあり、どれかのみが正しいということはありえ…

「ゲームは一日15分」の時代背景

小学生だった梅原大吾さんが友達の家でゲームをやって遊んでいた頃、「ゲームは一日一時間」というルールのある家が多く、時には「一日15分」と言われることもあったとか。ちなみにプレイしていたのは、当時の大ヒット RPG、ドラゴンクエストソレ、ちょっと…

情報は看板に集まるでござる

かれこれ 2週間ほど梅原大吾さん関連のエントリを書いてるんですが、その間いろんな人から情報をいただきました。たとえば「Ted にゲームに関するスピーチがありますよ!」とか、「梅原さんは過去にこんなこと言ってました。ブログの話と矛盾しませんか?」…

14歳は大人です

今回、梅原大吾さんと対談して、“ 14歳 オレ様 起源説”を確信しました。“オレ様”の解釈はどーでもいいのですが、意味としては「業界トップになる子は、14歳の時点ですでに頂点を意識している」ということです。 梅原さんは、14歳の時には「自分は、世界で一…

売って稼ぎたいだけ? 文化で?

4月13日夕方(現地時間)、ニューヨーク大学のゲーム大学院で、梅原大吾さんと、Seth Killianさんの対談が行われます。Seth Killianさんは元格闘ゲーマーで、カプコンで働いてたり、EVO(アメリカの有名ゲーム大会)の主催側でもあった人です。 NYにいたら絶…

裾野 & てっぺん

対談後の雑談時、梅原さんが、「最近のゲームは、ちょっと強いキャラとか技があると、すぐに調整が入る。もっとチャレンジさせてほしいのに」と言われていて、「にゃるほど」って思いました。勝ち続ける意志力 (小学館101新書)作者: 梅原大吾出版社/メーカー…

安易な道を選ばない それだけで食べていけます

プロゲーマー梅原さんの名言が溢れるこの本から・・ 勝ち続ける意志力 (小学館101新書)posted with amazlet at 16.04.10梅原 大吾 小学館 売り上げランキング: 3,522Amazon.co.jpで詳細を見る→ kindle版→ 楽天ブックス 以下は引用 安易な道、裏技は使わない …

まさに、人間と人間の勝負

梅原さんの本における印象深いプロットのひとつ。それは、彼が格闘ゲームを何度も「人間と人間の勝負」と呼ぶことです。 どんな相手でも、ひとりの人間を攻略するのは容易ではない。強気なのか謙虚なのか、好きなものは何か、どういう家庭環境で育ったのか、…

研究者・勝負師・芸術家

<1>私は、最初の仕事(金融業界)で「マーケット」の洗礼を受け、次の仕事(外資系企業)で、ひたすらに「ロジック」を鍛えられました「マーケットで勝負する世界」と、「情報を分析し、論理で考える世界」の二つを学んだことが、私のバックボーンとなっ…

成長したければ、ひたすら変化すべし

これまでのあらすじ ・梅原大吾さんと対談しました ・梅原大吾さんとは? 『勝ち続ける意志力』 梅原さんが(格闘ゲームにおける実績を超えて)スゴイのは、トップであり続けるために何が必要かを、端的に&わかりやすく言語化できていることです。たとえば…

プロゲーマー梅原大吾さんと対談しました

先週末、下北沢の書店 B&Bでプロゲーマーの梅原大吾さんと対談しました。今年一月に彼の著書を紹介(→ 『勝ち続ける意志力』)したのがきっかけです。こんな超一流の人と対談できるなんて、長らくちきりんやってきた甲斐があるとゆーもんです。 場所となった…

電子書籍・自己出版の大きな意義

昨年末から電子書籍リーダーを使い始めて3か月。想像してたより、よく電子書籍を読んでます。電子書籍は場所もとらないし、すぐに読めるし、紙の本より安いことも多いのでついつい買っちゃいます。今年は(私の定義では)日本の電子書籍元年なのですが、こ…

民主主義は死んでるけど、資本主義は超元気

そろそろ正直に認めたほうがいいと思う。民主主義という制度は終わってる。まったく機能しないことが明らかになってる。イタリアやギリシャみたいに、国が破綻しそうな段階でさえ(だからこそ?)民主主義は全く機能しないし、以前にも書いたけど、アメリカ…