2013-01-01から1年間の記事一覧

個人にとってのクラウド・ソーシング

前回まで、クラウドソーシングが企業に与える影響をまとめてきましたが、今日は個人事業主、フリーランスの立場で考えてみます。 この視点で何より重要なのは、「個人は受注者にもなるし、発注者にもなる」ということです。フリーランスとして仕事を請け負い…

会社員も市場に評価される時代へ

前回は、クラウド・ソーシングが企業の採用プロセスや、社員のスキル&勤怠評価法を変えていくだろうと書きました。それだけでも十分に衝撃的ですが、この仕組みを利用し始めた企業はそのうち、それがあらゆる人事施策に活用できると気が付きます。 たとえば…

市場が、組織のルールを変えていく

以前のエントリで、企業にとってクラウドソーシングには3つの意味があると書きました。 1)コスト削減 2)オープン・イノベーション & オープン・プロブレムソルビング3)人事政策の大転換 今日は 3番目のトピックについて書いてみたいと思います。 ★★★…

すべての人、企業、国がもつ、ふたつの選択肢

ここまで数回にわたり、急拡大するクラウド・ソーシング市場について書いてきました。 ・ 戦力外労働力が市場参入する ・ 一国の雇用・労働法制を超えたグローバル労働市場が出現する ・ 研究開発や商品開発においてさえ、クラウド・ソーシングが鍵になる こ…

世界の知をクラウドで集め始めたグローバル企業

「クラウドソーシングが未来の働き方を変える」シリーズ、今日は、企業からみたその意義について、(コスト削減ではなく)オープンイノベーション & オープン・プロブレムソルビングに関する事例をご紹介します。参考図書は下記です。 クラウドソーシングの…

企業の競争力を左右する新しい労働力調達市場

先日も書いたように、クラウド・ソーシングによって、これから私たちの働き方は大きく変わるでしょう。今日はこの件について、仕事を発注する企業側からの視点で、その意味合いを考えてみます。 企業側にとってクラウド・ソーシングは、次の3つの意義があり…

「戦力外労働力」の市場参入が始まる

ランサーズを訪問して話を聞き、その後、本や資料を読んで(いつものように“にわか”)勉強をした結果、クラウドソーシングという“仕事と働く人を結ぶ新しいマーケットの仕組み”について、ちきりんが理解したこと、驚いたこと、考えていることを、ひとつずつ…

ランサーズ訪問!

ちきりんの新刊、『未来の働き方を考えよう』では、今起こっていることとして、 1)大組織から、個人&小組織にパワーがシフトするよ! 2)先進国から新興国にパワーがシフトするよ! 3)資産や、輝かしい学歴・職歴を持つ、ストック型の人より、フローの…

制度論も個人の生き方論も結論は同じ!

先日、新刊発売記念として、東京大学大学院の柳川範之教授と対談しました。経済分野の制度論がご専門の柳川先生は、昨年の夏、「40歳定年制」というセンセーショナルな雇用制度を提言した「国家戦略会議フロンティア分科会」のメンバーで、下記の本も書かれ…

驚異のデフレ系チェーンオペレーション

ちきりんはチェーンのビジネスホテルに泊まるのが好きです。先日、泊まったアパホテルも、その徹底したオペレーションに感動しました。 <1.客まで巻き込む徹底したコスト削減>スリッパは、足裏にあたる部分の白い紙だけが、使い捨てとして用意されていま…

未来の働き方アンケート (002) 結果サマリー 2/2

働き方に関する 2回目のアンケートについて、前回は、全回答の分布を円グラフで表しましたが、今回は年齢別に集計してみました。そしたら、けっこー衝撃的な結果がでました。 Q1)今の仕事が好きですか? 楽しいですか? 全回答者の集計結果が、この円グラ…

PR)分析結果の視覚効果について

昨日、発表した「未来の働き方に関するアンケート 002」の結果ですが、ちょっと別の見方をしてみましょう。最初の質問の結果について、私は下記のように記載しました。 Q1)今の仕事が好きですか? 楽しいですか? この結果、どうですか? 「今の仕事が大…

未来の働き方アンケート (002) 結果サマリー 1/2

さて、働き方に関する 2回目のアンケート結果です。今回の有効回答数は 4921人。年代分布は前回とほぼ同じ。まずは全年代通しての回答を見てみましょう。 Q1)今の仕事が好きですか? 楽しいですか? この結果、どうですか?「今の仕事が大好きだし楽しい…

未来の働き方アンケート 第二弾です!

前回に続き、 働き方に関する二回目のアンケートです。今回は、かなり直接的に「仕事、楽しいですか?」、「人生でやりたいことって明確ですか?」って聞いちゃいます。 リンクはこちら。 回答期限は、7月3日(水)の23時30分とさせていただきます! → アン…

20代で、一生分の「やりたいこと」を見極めるなんて無理です

今回あらたに出した本、『未来の働き方を考えよう』の根本思想は、20代で初めての職業を選ぶ時に、一生を捧げられる「やりたい仕事」を見極めるなんて不可能だし、そんなことを目指すこと自体、ナンセンスだよということです。もちろん何でも例外があるよう…

未来の働き方アンケート (001) 結果サマリー 2/2

先日おこなった、“未来の働き方”アンケート、第一回 の後半部分の結果です。 おそらく最も関心が高かったであろう質問、 Q5) 自分は何歳までフルタイムで働くことになる(であろう)と思いますか? についての回答を、年齢別・経験社数別(自営業も1社と…

未来の働き方アンケート (001) 結果サマリー 1/2

先日おこなった、“未来の働き方”アンケート、第一回の結果を公表します。たくさんの方に回答いただき、有効回答数は7000人を超えました。ご協力ありがとうございます! まずは、回答者の年齢とフルタイムワークの経験年数を面積で表したのが下図です。縦の割…

「見世物としての論争」に興味がもてません

気が付いている人も多いと思いますが、私は最近かなり意識的にブログの内容を変えています。以前はテレビやネットで話題になった大きな事件や出来事について、自分の考えを書くことも多かったのですが、最近は電王将棋や梅原大吾さん関連のエントリを一ヶ月…

みんなで『未来の働き方について考えよう』

ちきりんの新著、『未来の働き方を考えよう』の発売から 2週間がたちました。多くの方からツイッターやブログを通して感想を頂いています。どうもありがとうございます! 未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる作者: ちきりん出版社/メーカー: 文藝…

円満離婚に向かう「政治と若者」

夏の参院選に向けて、各党の比例公認候補が次々と名乗りをあげています。地道なドブ板活動や親の代から続く後援会組織が必要な選挙区と違い、比例区は候補者の知名度が勝負。このため各党とも“有名人”をひっぱりだすのが常となっていますが、今回もまた各方…

人生を無駄にするための10の方法

1.やればできるとわかっていることばかりする 2.会えばどんな話になるか、(会う前から)わかっているような人ばかりと会う 3.楽しいとも思えないことを、お金や義務感や惰性のために続ける 4.将来のために我慢する 5.いかに昔がよかったか、みん…

コンピュータ将棋 まとめ その2

長らく続けてきたコンピュータ将棋の関連エントリ。今回のインプット&アウトプットを通して私が感じたことは、以下の3点でした。 1.人間はすごい!将棋電王戦では人間が負けたけど、やっぱり全体として人間ってスゴイんだなと強く思いました。個人戦なら…

インプット & アウトプット

ここまで10回ちょっと、コンピュータ将棋に関するエントリを書いてきたので、今日は、私がこのシリーズを書くにあたって読んだ本など、“インプットしたことの一覧”をまとめておきます。 コンピュータVSプロ棋士―名人に勝つ日はいつか (PHP新書)posted with a…

『未来の働き方を考えよう』 発売です!

ちきりん 4作目となる 『未来の働き方を考えよう』 が、発売になりました。この本、結構な難産だったので、無事に出版できてかなり嬉しいです。 未来の働き方を考えよう 人生はニ回、生きられる (文春文庫)posted with amazlet at 15.11.10ちきりん 文藝春秋…

日本将棋連盟の“大局観”が楽しみ

コンピュータ将棋について延々とエントリを書いてる私ですが、将棋についてもコンピュータについてもほとんど知識がありません。なので、もっぱら関心があるのは、ビジネスとして、もしくはマーケティング的な側面からの「人間 対 コンピュータ将棋」という…

大局観のある人ってほんとスゴイ

コンピュータ将棋について調べていると、頻繁に“大局観”という言葉を聞きます。局面の評価において「この条件は有利、こちらの数字は不利、ここはどーのこーの」と細かく分析するのではなく、全体として「だいたい いい感じ」とか、「よくない雲行き」などと…

「ありえないと思える未来」は何年後?

今回、将棋ソフトについて何冊か本を読み、ponanza 開発者の山本一成さんと話した中で、ソフト開発者とそれ以外の人には、いくつか根本的な発想の違いがあると感じました。山本さんが「将棋の完全解明より、コンピュータが人間の知性を超える日のほうが早く…

なにで(機械に)負けたら悔しい?

人間対コンピュータの勝負である将棋の電王戦が盛り上がったのは、「プロ棋士が、コンピュータソフトに負けることへの関心」が高かったからでしょう。でもね、人間は既に、多くの分野で機械に勝てなくなっています。でも私たちはそれをたいして気にしていま…

4段階の思考スキルレベル

将棋ソフトに関しておもしろかったのは、先日も書いた「探索」と「局面評価」という思考プロセスです。 1)探索=とりうる選択肢を、自分の選択肢→相手の対応策(選択肢)→自分の選択肢、と深掘りしつつリストアップ 2)局面評価=上記の過程で現れる局面…

世界を歩いて考えよう! 電子書籍化のお知らせ

コンピュータ将棋シリーズの途中ですが、お知らせです。昨年の6月に出した『社会派ちきりんの 世界を歩いて考えよう!』が、電子書籍化されました。社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう! (だいわ文庫)作者:ちきりん大和書房Amazon 今回の電子書籍化にあわ…